「できる!」ビジネスマンの雑学
2018年09月14日
[591]Windows 7の3年延命プラン、Microsoftから発表

 パソコンOSのWindows 7といえば、ブルー系の爽やかなデスクトップデザインを思い出す方も多いでしょう。

 かつて2000年代初頭に家庭でもオフィスでも使えるOSとして、Windows XPが全世界に普及しましたが、その後継OSとして登場したのがWindows 7でした。安定した動作とXPの操作性を継承したことで、Windows 7も多くの人に支持されました。

2018091401.jpg
※なつかしいWindows 7のデスクトップ画面

 そのWindows 7も、2009年の発売からすでに10年が経とうとしています。後継OSとして、Windows 8、Windows 10が登場して、2020年1月にはサポートの終了を迎える・・・はずでした。

 ところが、このたび開発元のMicrosoftから、過去となったWindows 7について意外な発表がありました。

Microsoft、法人向けにWindows 7の有償延長サポートを提供
 Windows 7のサポートについて、2020年1月14日で終了すると発表済みだが、あらたに2023年1月まで「拡張セキュリティアップデート(ESU)」が提供されることが発表された。
 このWindows 7 ESUを利用するには、デバイス単位でライセンスが必要となり、年ごとに価格が増加していく。対象となるのはボリュームライセンスのWindows 7 Professional/Enterpriseユーザーで、OS単体やPCと同時に購入している一般ユーザーは利用できない。
PCWatch・佐藤岳大 2018年9月7日掲出)

 Windows XPのサポート期間は約12年6ヶ月でしたが、この有償延長サポートで、Windows 7はそれより約1年長い13年5ヶ月となる予定です。

 法人限定でさらに有償とはいえ、サポートが延長されるのはきわめて異例の事です。

 その理由としては、企業にはいまも、Windows 7でなければ動作しないソフトや環境があることが考えられます。また、Windows 7環境で構築した企業内システムを、新しいOSが出るたびに作り替える手間はかけたくないという本音があるかもしれません。

 ところが現実はもっと単純でした。いまも多くのユーザーが何の疑問も持たずに、Windows 7を使い続けていることが判明したのです。

中小企業の45%は「Windows 7サポート終了を知らない」
 楽天リサーチが6月に調査した、中小企業におけるWindows 7サポート終了の認知度は55%だった。また、Windows 10へ移行中だと答えたのは42%だったという。
ITmedia・井上輝一 2018年7月3日掲出)

 中小企業のなかでWindows 7のサポート終了を知っていたのは55%と半分ちょっと。つまり45%の企業が、Windows 7のサポート終了が迫っていることを認識していなかったのです。
 Microsoftが無料アップグレードをアナウンスしてまで、Windows 10移行キャンペーンをやっていたのは、なんだったのでしょう。

 さらには4割以上の企業が、いまだWindows 10へ移行中というわけですから、おそらく、Windows 7やWindows XPなどの旧OSを使い続けていることがうかがい知れます。

 「古いパソコン(OS)だけど、まだうまく動いている。
 ならば、このままそっとしておこう」


 企業の本音はこんなところかもしれません。これが吉と出るか、凶と出るか。Windows 7の場合は、あと5年は吉と出たようですね。(水田享介)


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