大阪・なんば(難波駅)は関空(関西国際空港)からの乗換駅であり、また近くを流れる道頓堀は江戸時代に天下の台所(場所については諸説あり)と呼ばれたほどの運輸の要衝でした。 いまでこそ、キタ新地が有名ですが、ミナミと呼ばれるこのなんば一帯は昔も今も変わることのない大阪一の繁華街です。
その「なんば」の中心地、法善寺横町の目の前にあるのが「上方浮世絵館」です。2001年に私設美術館として設立されました。
※「上方浮世絵館」外観
「上方浮世絵館」 ◆ご利用案内◆ 所在地:〒542-0076 大阪府大阪市中央区難波1丁目6‐4 お問い合わせ:TEL / 06-6211-0303 FAX / 06-6211-0393 開館時間:11:00~18:00(入館は17:30) 休館日:月曜日(月曜日が休日の場合は翌日) 入館料:一般:500円 小・中学生:300円 ※障がい者手帳等をお持ちの方:300円 (介護者の1名様も同額とします。) ご注意:当館施設にエレベーターはございません。 企画展示の2F・3F、イベント開催の4Fへは階段のみとなります。 ※ミュージアムショップのみのご利用には、入館料はいただきません。
6月からの企画展は 第68回【浮世絵動物演~芝居のなかの動物たち~】 http://kamigata.jp/kmgt/68th/
9月2日(日)までの展示となっています。
筆者が訪れたのは5月末。企画展「第67回【浮世絵パワースポットめぐり】」が開催中でした。生き生きとした表情をとらえた役者絵ばかり、保存状態の良い色鮮やかな浮世絵を間近で見ることができました。 美術館では珍しいことに、ストロボを使わなければ作品の撮影も許されています。
※浮世絵の展示
※芝居小屋で使われていた照明器具、龕燈(がんどう)
また、この美術館では浮世絵の版木を使った多色刷り体験を開催しています。 「浮世絵制作(摺り)体験のご案内」
いくつかのコースがあり、筆者の取材中にフランス人のご家族4人で「中級コース」、法善寺横町を描いた本格的な4色刷りが行われていました。
初心者には少し難しいかもと思われましたが、館長・高野征子氏の軽妙な関西弁によるテキパキとした指導の下、言葉はわからなくとも意図は通じるのでしょうか。全員がカラフルでおしゃれな横町風景を仕上げることができました。
※摺り体験の版木
高野館長にお話をうかがったところ、「浮世絵摺りの体験希望は外国の方が多いですね」とのこと。
昔日のなんばの風景といえば、5つもの芝居小屋が連なる賑やかな大通りがあり、連日大勢の観客が芝居見物に訪れたものです。それが1945年の空襲でぜんぶ焼けてなくなってしまいました。あの頃の賑わいの記憶が上方浮世絵の中に今も生き続けているのです。この記憶を失わないために、そのためにこの場所に美術館を開き続けているのですよ。
※芝居小屋の写真をバックに「上方浮世絵館」館長・高野征子氏
上方浮世絵を常設展示する美術館は日本では、いえ世界でもここだけ。なんばの歴史を物語る貴重な美術館です。大阪を訪れたなら、ぜひ一度足を運んでいただきたい場所です。(水田享介)
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ ■関連リンク 上方浮世絵館 | Kamigata Ukiyoe Museum http://kamigata.jp/kmgt/
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