「できる!」ビジネスマンの雑学
2018年03月09日
[515]黒板でWordを教えるアフリカのパソコン教育

 アフリカ、ガーナ共和国、クマシ市は首都アクラに次ぐ人口200万人の大都市です。そのクマシにある平均的な中学校の授業風景がSNSで紹介されました。
 2018年2月の撮影ですから、つい先月のこと。

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※SNS画面より

 おわかりでしょうか。青年教師が一生懸命にWordの授業をしているのです。ただ少しだけ変わったところがあります。

 先生は「Wordの画面を板書」しているのです。

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※SNS画面より

 それを黙々と書き写す中学生達。机には教科書も見当たりません。薄暗い教室の様子からどうやら照明もなく、電気も通じていないようです。

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※SNS画面より

学校にパソコンがないので黒板にWordを描く ガーナの先生に注目集まる
 パソコンのないガーナの学校で、黒板に「Microsoft Word」の画面を描いて子どもたちに教える先生のSNS投稿が注目を集めています。
 投稿したのはガーナのクマシの学校で教えているOwura Kwadwo Hottishさん。「ガーナの学校でのICT(情報通信技術)教育はとてもおかしい。黒板でICTで教える。生徒が大好きだから、理解させられることをやらなければ」というコメントともに、黒板にチョークでWordの画面を描いている写真を投稿しています。黒板に描かれたWordはさまざまな色のチョークを使い、メニューやボタンなども再現され、「タイトルバー」「メニューバー」などの説明が書き添えられています。
ねとらぼ 2018年3月4日掲出)

 パソコンがなければICT教育はできない。教科書もない。そもそも電気が通じていなければ、パソコンがあっても使えない。

 ないないづくしの学校でICT教育を命じられたOwura Kwadwo Hottishさん。彼に与えられたのはチョークと使い古した黒板のみでした。

 この授業風景は驚くにはあたらず、アフリカではよくあることなのだそうです。

 電気がないからパソコンが届かないのか、パソコンがないから電気が届かないのか。たぶん、両方ともがどちらも届かない原因でしょう。

 では、いつまで待てば、この教室に届くのでしょうか。

 これがアフリカのICT教育、コンピューター教育です。

 筆者の小学生時代、毎年受け取る音楽の教科書は、裏表紙に鍵盤が印刷してありました。あれは何だったんでしょう。

 低学年の頃は楽しく指をあてていました。さすがに高学年ともなると、いつまでもだまされません。本物のオルガンがひとり一台与えられました。

 ですから、紙の鍵盤を見ると、
「子どもだと思って紙で済まそうなんて、ふざけんなー」と、

毒づいていました。

 アフリカは遅れていると、言われることがあります。

 いいえ、好きで遅れているのではありません。教育の元となる環境が整わないから、先進国の人以上に努力していても、成果が上がらないだけなのです。

 いつまで待っても紙の鍵盤のままでは学ぶ意欲も薄れていきます。

 同じように、届かないパソコンを待ちくたびれたアフリカの子ども達は、体験のチャンスもなく、やる気を失ったまま卒業していくのです。

 一枚の写真が教えてくれる、これがアフリカの現実です。(水)


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