「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年10月18日
[457]エッ、まだだったの。上野動物園の園内禁煙
世の中には驚くべきことがあるものです。このたび、東京・上野動物園では、園内でタバコを吸うことが禁止されていなかったことがわかりました。 上野動物園 園内全域の禁煙を検討 ジャイアントパンダの人気もあって多くの家族連れでにぎわう東京・上野動物園で、園内の全域を禁煙にする方向で検討が進められていることがわかりました。園の関係者は、上野動物園で先行して禁煙を実施すれば、各地の動物園で導入が進むことも想定されるとしています (中略) 現在、園内にある喫煙所はパンダ舎から近い場所にあり、動物園協会などは、近くプロジェクトチームを立ち上げて本格的な協議に入り、パンダの赤ちゃんが公開される前の来月末までに結論を出すことを目指しているということです。 (NHK NEWS WEB 2017年10月16日掲出) しかも、喫煙所がパンダ舎の近くに設置してあったという、驚きの事実まで公表されました。 赤ちゃんパンダを大事に育てなければ、とあれだけいっていた上野動物園は、たくさんの子供たちが集まる肝心の場所でありながら、なぜ思いが至らなかったのでしょう。 実のところ日本は、受動喫煙対策への取り組みがいちじるしく緩慢であると、世界保健機構(WHO)から指摘されています。 日本の受動喫煙対策「前世紀並みに遅れ」 WHOが視察 たばこ規制政策の専門家が来日し、日本の受動喫煙対策を「前世紀並み」と表現しました。朝日新聞デジタルでの2回のアンケートには、合わせて約3900の回答がありました。立場によって意見に大きな開きがみられます。そんな中、議論のあり方について寄せられた声を中心に紹介します。 (朝日新聞デジタル・福地慶太郎/錦光山雅子 2017年4月16日掲出) 確かに屋外での喫煙への規制が始まり、分煙環境や喫煙所は設置されました。しかし、子供たちが集まる公共施設、今回話題となった動物園で、タバコを禁止する動きがなぜ今までなかったのでしょうか。 屋内や子供たちが利用する公共施設を重点的に禁煙にしたほうが、受動喫煙対策としても、その効果は高いはずです。 それなのに日本では、受動喫煙の被害が少ない屋外から分煙化が始まり、建物内での禁煙は「努力義務」にとどまっています。 日本の現状はこちらで紹介されているとおりです。 どうなる?たばこ"新ルール" 広がる波紋 皆さん、ご存じでしょうか?オリンピックとたばこ、実は深い関係があります。「たばこの無いオリンピック」を掲げるIOCの意向を受け、開催国は喫煙を法規制するのが通例となっているんです。 例えば、ブラジルやイギリスでは、学校や病院といった公共施設だけでなく、飲食店は全て禁煙。罰則付きの法律で厳しく定めています。 では、日本はどうかというと...。 (「クローズアップ現代・NHK」 2016年12月14日(水)放送) 海外では受動喫煙と言う健康リスクを減らすことを目的としたため、すぐに屋内禁煙が定着しました。一方、日本では喫煙をマナーや迷惑行為といった観点で制限しようとして、まずは屋外での「喫煙マナー」として始まった経緯があります。 しかし、そのようなゆるい対応ではもう済まされないことを、今年生まれたパンダ「香香(シャンシャン)」が、身をもって教えてくれたようです。 屋内の「分煙」が禁煙に進展するには、まだまだ時間がかかりそうです。東京五輪を前に、タバコの問題をもう一度考え直す必要がありそうですね。(水) --------------- ■関連リンク 禁煙推進Webサイト(日本医師会) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |