「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年10月04日
[451]若者の地方転出問題に、愛媛県がマンガで提言

 かつて日本では、田舎であぶれた労働力を都会で一手に引き受けようと、昭和30年代から「集団就職」が始まりました。
 地方で義務教育を終えた若者たちが、夜行列車で東京などの大都市へと送り出される光景は当たり前のことでした。中卒で働き始める15歳、16歳の彼らは「金の卵」ともてはやされたものでした。

 ところが今では、地方は都会のために子供を育てる場所なのか、という疑問の声が全国で上がり始めました。

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 進学や就職を機会に、若者たちがごっそりと都会に出て行く現実があります。有名大学や一流企業は都会に集中しており、やむを得ないことですが、こんなことがいったいいつまで続くのだろうか、と割り切れないものを地方の大人たちは感じています。

 お金も時間もかかる子育てや教育を地方に押し付けて、都会は労せずして若者から税収を得ている。子育てに貢献もしない都会は、ただのいいとこ取りではないのか。そんな指摘が当たっていなくもありません。

 また、都会と地方の経済格差やインフラ格差は、住みやすさや安全安心といった地方の良さもかすませてしまいます。

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 地方からの怨嗟の声が聞こえてくる昨今ですが、愛媛県はこの問題にマンガを使って問題提起を始めました。

若者の転出に漫画で対抗 愛媛県「ヒメのいるまち」HPで公開
 進学や就職で県外に転出する若者を少なくしようと愛媛県は、愛媛の暮らしやすさをPRする漫画「ヒメのいるまち」を制作し2日から、ホームページで公開する。
 漫画家を夢見る大学4年生、佐倉ヒメが主人公。自分の作品が新人漫画賞を受賞し、編集者から上京するよう誘われる。漫画家を目指すか、地元で堅実な就職をするか-決断を迫られた主人公は、人々との触れあいを通じて地元の自然や文化、暮らしを改めて考えていく-というストーリー。
 県内在住の漫画家、前山三都里さんが執筆。漫画は全8回で、来年1月下旬まで、月2回のペースで順次、公開する。
産経WEST 2017年10月2日掲出)

 地方自治体がてがけるマンガといえば、地方の歴史や偉人などを扱ったものが主流でした。

 愛媛県がこのマンガを通して、若者転出問題にどのような意見を提示するのか、筆者としても興味は尽きません。(水)


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