日本でもいまや1.1兆円(2016年:全体では15兆円)を売り上げる通販大手のアマゾン(Amazon)が、新たなサービスに参入しました。 「音声合成」サービス です。 アマゾンが「音声合成」サービスに本格参入 アメリカの大手IT企業、「アマゾン」は、入力された文字情報を人工知能を活用して自然な日本語で読み上げる「音声合成」のサービスの分野に本格的に参入することになりました。 アマゾンは、コンピューターに入力した文字情報を読み上げる「音声合成」のサービスを24の言語で行っていて、企業やアプリの開発者などに販売してきました。 (NHK NEWS WEB 2017年7月31日掲出) ナレーションの需要と言えば、このニュースのように、アナウンサーのいない地方ラジオ局に限られるかと思いがちです。 しかし、このビジネスはそれだけには留まりません。なぜなら、 アマゾンをただの通販業者と見るのは大きな誤り だからです。 アマゾンの稼ぎ頭であるAWS(Amazon Web Services)は、アマゾン社内の技術力で誕生して稼働しています。かつてアマゾンではネット通販の拡大に伴い、専門業者に言われるままにサーバーを増設していました。 ところが、社内の技術者がこれまでの数分の一の設備でサーバー機能をまかなえる革新的技術を開発。余剰となったサーバーを、低額で貸し出したのがAWSのスタートでした。 国際企業のアマゾンは、この音声合成技術で24の言語で実績を持っているとのこと。 たとえば、翻訳機能と組み合わせることで、日本語から外国語へ即座に音声で案内できるようになります。訪日外国人観光客で沸く今の日本では、旅館やホテルといった宿泊施設やタクシーや鉄道などの交通機関、観光案内所などで重宝されるでしょう。 音声合成のテクノロジーにおいては、各国語の発音にAI学習を取り入れ、自然な会話を実現しています。 実はこの技術、英語学習にもすぐに転用が可能なのです。たとえば、中学・高校の英語学習に導入されれば、リスニング学習に目覚ましい学習効果が期待されます。 ビジネス英語などの学習においても、これまでのありきたりの例文ではなく、自分の仕事に必要な英語を集中して覚えることができるようになります。 通販大手とはいえ、なぜアマゾンにこのようなことが可能になったのでしょうか。 アマゾンはすでにアメリカ国内で「AIスマートスピーカー」という新ジャンルを開拓しています。2014年末には「Amazon Echo」を米国で発売を開始し、AIである「Alexa」を搭載して以降、この分野でアマゾンの独走状態が続いています。 アマゾンは日本語の「音声合成」サービスにAI学習で磨きをかけ、日本人の耳に受け入れられたところで、日本語版スマートスピーカーを投入する計画かもしれません。 クラウドとAI、そして翻訳機能など、様々な技術を組み合せることで、今まで想像もつかなかった新しいサービスが、これから続々と誕生します。 アマゾンはいまやグーグルやアップルにも引けを取らないIT企業なのです。アマゾンが本気で語学学習に取り掛かれば、観光業や旅客業、e-ラーニングなどの多方面に革命をもたらすことでしょう。 前出のニュースには、その始まりを予感させる可能性に満ちています。 AIを恐れず、いかに使いこなすのか。そのことがいま、私たちに問われているのです。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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