「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年04月17日
[381]その件は、アドビ先生(Adobe Sensei)に聞いてみよう

 日本では調べ物をするときに、

 「グーグル先生に聞いてみよう(意味:Google検索を利用する)」

という言葉が定着していますが、それは日本国内に限った話でした。

 これからは、センセイ(先生)という言葉は、日本人だけのものではなくなりそうです。

 印刷、出版、映像などの分野でクリエーターたちの右腕となるアプリを提供してきたアドビ社。そのアドビ社が満を持して発表したAIアシスタントが話題を呼んでいます。

 その名も、「Adobe Sensei (アドビ先生)」

 アドビセンセイ・・・、ですか。

 この何とも言えない語感、違和感は何でしょう。アドビ社は真面目なのか、それとも冗談なのか。

Adobeが人工知能「アドビ先生」発表 名前の由来は?
 Adobe Systemsは11月2日(米国時間)、同社が主催するイベント「Adobe MAX」(米カリフォルニア州サンディエゴ)でAdobeのコンテンツやデータを利用した人工知能(AI)「Adobe Sensei」を発表した。「Adobe Sensei」は日本語の「先生」が由来。(中略)
 「先生」は、米国で「恩師」「学ぶ人」「ある場所で教育を受ける」「社会的知識を持っている人」という意味。日本語の「先生」より少し高度な印象を受ける言葉だという。
 Adobe Senseiによってできる具体例は、ディープラーニングを使った画像検索やタグ付け、顔認識を活用した加工(画像から人の眉、口、目などの位置を把握し、表情を変化させる)、画像領域で建物などのラベル付け、自然言語処理(デジタル文書のテキスト認識、トピックのモデリング、センチメント分析)など、クリエイティブだけでなく、デジタル文書やマーケティングの領域にまで及ぶ。ビジョンは「このAIによって、学んだことをいかにデリバーして(生み出して)いくか」というところにあるという。
ITmedia NEWS/太田智美 2016年11月03日掲出)

2017041401.jpg

 意外な事に、アドビ社は本気でした。真剣な検討を重ねた結果、「センセイ」の語感が自社が開発したAIに最適と判断したのです。

 アドビ社のネーミングセンスはわかりかねますが、これからはこのアドビセンセイが、世界中で使用される事になります。

 「ハーフハーフ(※1)」、「テイクアウト」、「ペーパードライバー」、「ケースバイケース」など、日本でしか通じない和製英語は、ネイティブスピーカーには奇妙に思われてきました。

 これと同じ気分を、今度は日本人の私たちが味わう時代になってきたのでしょう。

 そういえば「Bento(ベントウ)」という名前のデータベースアプリ (※2)もありました(2013年9月30日 提供終了)。いいアプリでしたが語感が災いしたのか、筆者は最後までなじめませんでした。(※3)

 アメリカ人の日本語好きには微笑ましい面もありますが、世界中で「センセイ、センセイ」と先生が乱発されるのはちょっと、と言う方にはこんな言葉はいかが。

 「アドビ・センパイ」

 先生ほど堅苦しくないので、何でも気軽に聞ける上に頼りがいもありそうです。
 仕事がうまくいくとセンパイが褒めてくれたり、上司に叱られるときはセンパイが盾になって守ってくれたり・・・。

 まあ、世の中にそんないいセンパイはめったにいませんので、やっぱりセンセイが適任かもしれません。(水)

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
※1=ハーフハーフは浅田真央ちゃんの限定語。
※2=ファイルメーカー社が開発、販売していたiPhone/iPad 用アプリ。
※3=「Bento」はフランスでブームになっているそうです。

---------------------
「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別
---------------------
ニュースを読む
出来事
本・雑誌
IT関連

食と料理
教育

コメントを書く
お名前
URL
コメント
書籍購入はこちら 語学音声アプリ 公開中 閉じる