「できる!」ビジネスマンの雑学
2017年02月15日
[355]野鳥観察記‐貴重な日本在来種、野生のウズラ

 ここ一ヶ月ほど、正体のわからない野鳥が仕事場の庭にしばしば出没しています。

 ハトよりもひとまわり大きく、ふっくら寸詰まりのユーモラスな姿。しきりに庭の土をついばむところは、まるでニワトリ。鳴き声はと言えば、「ズズー」と低く啼くだけの、きわめて地味なヤツ。

 お前の正体は、なにもの・・・?

 先週ついに、仕事中の筆者の真正面に来たので、カメラで撮影することができました。
 写真をつぶさに見ると、茶色の背中に腹はまだら模様。目の上に眉毛を引いたような白いライン。もしやと思って検索すると、ありました。


2017021301.jpg
※筆者の庭にやって来た正体不明の野鳥


 「ウズラ」です。

 なんと、野生のウズラが筆者の庭を徘徊していたのです。

 「これからはウズラの卵は食べ放題かも・・・」
というわけにはいかないようです。

というのも、野生のウズラは飼育しているそれとは比較にならないくらい貴重なものだそうです。

[5月 ウズラ] 実は日本在来の野鳥なのです。
 ウズラといえば家禽のウズラが生んだ卵を連想しますが、実はもともとウズラは日本在来の野鳥です。家禽のウズラは野生のウズラを品種改良したもので、日本人が家畜化した唯一の野生動物だといわれています。ただし野生のウズラは数が少なく、かなり年季の入ったバードウオッチャーでも見たことのある人は少ないでしょう。
 野生のウズラは一昔前には全国的に見ることができたようですが、最近では生息場所である草地が急速に減少しているためか個体数が減り、なかなか見かけなくなりました。このため、環境省のレッドリストでは、平成18年の改訂で情報不足(DD)から準絶滅危惧(NT)というランクに引き上げられ、平成19年から5年間狩猟が禁止されるなどの措置がとられています。
公益信託 サントリー世界愛鳥基金 より引用)

 この原稿を書いているいまも、庭木の枝に止まってこちらを見つめています。

 まてよ、この鳥は・・・。うるさく啼くヒヨドリと思って、いままで筆者がさんざん追い払っていた、その鳥ではありませんか。

 ナッツ類は食べないはずのヒヨドリがシジュウカラのエサを横取りするため、ずいぶんと意地汚いヤツもいるものだと筆者はひとり憤慨していました。

 ここからは言い訳になってしまいますが、ずんぐりした姿に似合わず見事な飛びっぷりでしたから、今まで色違いのヒヨドリだとばかり思っていたのです。

 卵はスーパーに並び、缶詰のイラストでしか見た事のない鳥。焼き鳥になった姿は見た事はあっても、生きた姿を見る事はまずありません。しかも飛ぶところはヒヨドリそっくり。それがまさか庭に現れるとは、夢にも思っていませんでした。

2017021302.jpg
※エンピツ立てとして働くウズラの缶詰

 野生のウズラがレッドリスト入りする理由がよくわかりました。

 これまでの仕打ちを反省した筆者は、さっそく庭にアワ・ヒエのエサをたっぷりと置いてあげました。

 カムバーック、ウズラ。(水)

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