「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年12月28日
[336]カンタン手料理-23 クリスマスの後は「ハーブ塩」

 2016年のクリスマスも無事に終わりました。今年は天皇誕生日が金曜日だったので、三連休の方も多かったことでしょう。皆さんはいかがお過ごしでしたでしょうか。

 今年のクリスマスには「クリぼっち(※1)」なる言葉をよく聞きました。宗教に縁のない人が多い日本で、この日をひとりで過ごすことに何か問題があるのでしょうか。
 また、クリスマスにチキンを食べる日本の習慣に対して、欧米では七面鳥なのに、と揶揄するWebニュースもありました。

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 この七面鳥ですが、アメリカから始まった伝統料理のようで、ヨーロッパでは一般的ではありません。
 米大陸の開拓が始まった17世紀初頭、入植者たちは粗末な食事に甘んじており、それを不憫に思ったネイティブアメリカンたちがプレゼントしたのがローストした七面鳥でした。苦しかった開拓時代を忘れないために始めた七面鳥料理が、感謝祭(サンクスギビングデー)の定番料理になったと言われています(※2)

 感謝祭やクリスマスの七面鳥に相当する料理を日本で探すなら、お正月のおせち料理か尾頭付きの鯛になるでしょうか。
 いやいや、苦労した時代を思い起こすメニューならば、戦中戦後の食糧難を今に伝える「すいとん」こそが七面鳥のそれだと評する人もいます。

 クリスマスにふさわしい料理は七面鳥かチキンかの論争はさておき、わが家にはクリスマスが終わった後の年中行事があります。それはスーパーなどで売れ残った丸鶏(まるどり)を入手することです。

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※クリスマス後はお買い得品となった丸鶏

 世間の主婦の関心はすでにお正月のおせち料理に向かっています。年末の忙しいさなかにローストチキンを作る家庭はありません。

 そこが狙い目なんです。

 筆者は夏から秋の間に、繁りすぎたハーブの枝を剪定して、塩と一緒に壷に漬け込んでおきます。
 数ヶ月も経って年末になる頃、塩はハーブの香りを吸い取り、甘みと滋味を含んだおいしい「ハーブ塩」になっています。

「ハーブ塩」作り方
1.生ハーブを用意する
 ローズマリー、タイム、オレガノ、バジル、フェンネルなど
2.香辛料を用意する
 黒胡椒、クローブ、にんにくなど
3.塩とハーブ、香辛料を混ぜ合わせて瓶や壷に入れる
4.なじむまで数ヶ月待つ

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※壷で熟成させた「ハーブ塩」

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※ハーブは三ヶ月経っても鮮やかな緑色

※生ハーブを乾燥させて使ったり、小さく刻んで塩と混ぜても良いでしょう。わが家では塩だけを使いたいので、塩に風味が移ったらハーブは取り除きます。

 この塩を丸鶏の肉と皮の間にすり込んでいきます。数日なじませると、丸鶏はよい香りを放つ「ハーブ鶏」に変身しています。

◆ハーブ鶏の作り方の例
「How To Dry-Brine a Turkey」(@kitchen)

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 あとは丸焼きローストにして良し、モモや胸肉を切り分けて部位ごとに料理して良し。焼くだけで香味ただようおいしいチキン料理になります。

◆丸焼きの例
[152]米国BBQの定番、ワイルドでおいしい「缶ビールチキン」

 おせち料理を作る合間の手軽なおかずとして、ハーブ鶏は今年も活躍してくれそうです。(水)

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※1 クリぼっち=「クリスマスひとりぼっち」から。クリスマスの期間をひとりで過ごす人やその状態をさす略語。
※2 =BBQ(バーベキュー)料理はアメリカ先住民が起源と言われています。七面鳥が贈られた話は史実として検証されていません。異論、諸説あり。

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