「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年11月18日
[319]お疲れ様、ソニービル。また逢う日まで

 数々の流行を生み出してきた記念碑的ビルが、銀座から消えることになりました。銀座5丁目、数寄屋橋交差点にある「ソニービル」です。家電分野、ゲーム分野で日本の最先端をリードしてきた電機メーカー、ソニーの旗艦店(※1)ともいうべき存在でした。

◆ネット社会以前の流行キャッチ方法

 筆者も駆け出しのキャンペーンプランナーの頃、たびたび銀座のソニービルを訪れていました。よい企画を立案するには会社の机にしがみついていてはダメだよ、と先輩からアドバイスされたのがきっかけでした。

 というのも、1970年代にはインターネットは存在せず、現在のように流行や話題の商品をネット検索で知るという方法はありませんでした。

 ではその当時、人はどうやって世の中の動きを知ったのでしょう。

 その方法とは、いまや誰も口にすることのない古語、「銀ブラ」(※2)です。

 プランナーや企画要員が、時代が放つ空気感や最新流行を嗅ぎ取るには、銀座通りをひたすら歩く「銀ブラ」が基本でした。
 というわけで、いい年をした大人たちがスーツを着たまま、華やかな銀座通りを生真面目に右往左往していたのです。

 その流行の発信地でもあった銀座ソニービルは、来年4月に取り壊されます。(※3)

2016111801.jpg

◆最後の家電展示会

銀座ソニービル 解体前に歴代の電化製品を展示
 最新の製品が並ぶショールームを備えた東京・銀座の「ソニービル」が来年4月で解体されるのを前に、これまで展示されてきた電化製品を紹介する企画展が開かれています。
 東京・銀座にある「ソニービル」は、昭和41年に開業し、携帯型の音楽プレーヤーやゲーム機器など時代に合わせて展示内容を変えるショールームとして使われ、年間およそ400万人が訪れます。開業から50年がたち、来年4月に解体することになり、これに合わせ、これまでの製品を紹介する催しが開かれています。
NHK NEWS WEB 2016年11月15日掲出)

 日本初のトランジスタ携帯ラジオや、音楽に革命をもたらしたウォークマン(もちろんカセット駆動)、数々の名作を生み出したプレイステーションなど、筆者も見たことのない名品が一堂に会します。(※4)

 取り壊し前にぜひ一度、ソニービルに足をお運びください。

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■関連リンク
※1=旗艦店について当コラムで紹介しています。
 「[028]大和が沈んだ4月7日に考える旗艦の役割とは」

※2=「銀ブラ」
 銀座界隈を目的もなく物見遊山として歩くこと。銀座をブラブラ歩く、を縮めたもの。今上天皇は高校生時代に警備を付けず、学習院学友と銀座を歩かれて「銀ブラ事件」となった。

※3=銀座の象徴"ソニービル"建て替えの意味とは 文・大河原克行
ASCII.jp x デジタル 2016年06月21日掲出)

※4=「It's a Sony 展」
開館時間= 11:00 ~ 19:00
Part-1:2016年11月12日(土)~ 2017年2月12日(日)
Part-2:2017年2月17日(金)~ 2017年3月31日(金)
※ 2017年1月1日(日), 2月20日(月)は休館日


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