「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年10月24日
[308]北斎が描いた?西洋画、オランダで発見

 葛飾北斎と言えば、江戸時代の「浮世絵師」として有名で、代表作には富士山を描いた連作『富嶽三十六景』、絵の教本『北斎漫画』などがあります。

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『冨嶽三十六景 凱風快晴』(通称:赤富士)

 その北斎が描いたと言われる西洋画が、このたびオランダで見つかったそうです。

葛飾北斎の新たな絵画か オランダの博物館が所蔵
 日本に西洋医学を伝えたドイツ人医師、シーボルトが持ち帰りオランダの博物館が所蔵していた絵画が、江戸時代を代表する浮世絵師、葛飾北斎が西洋の技法を使って描いたものである可能性が高いことが分かり、北斎を研究するうえで貴重な資料として注目されています。
 この絵画は、オランダのライデン国立民族学博物館が所蔵していた6点で、長崎を拠点に日本に西洋医学を伝えたドイツ人医師、シーボルトが持ち帰ったコレクションに含まれていました。
NHK NEWS WEB 2016年10月22日掲出)

 建物や橋、和船などはその構造を理解した緻密な描写となっており、1820年代当時の日本に、西洋人画家がいなかったことを考え合わせると、相当に腕の立つ「日本人の絵師」が描いたに間違いなさそうです。

 極端に広々とした空ときまじめな遠近法に特徴のあるこの絵画群は、今となっては少し凡庸な構図にも思えます。ただ、江戸時代に西洋画を見たり習ったりした日本人はいなかったわけですから、初めて描く西洋画でこれだけの風景描写ができる人物は、ごく一部に限られていたことは確かです。
 また、印象派誕生以前でありながら、西洋人がいだいていた絵画への先入観も感じられません。
 これらの点を踏まえると、この絵画の持つ革新性がよくわかります。

 もしこれらの絵画が当時席巻していた新古典主義のパリ画壇に登場していれば、浮世絵と共に新たなセンセーションを巻き起こしたに違いありません。

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※北斎自画像に彩色

 本当に北斎が描いたものであれば、世紀の大発見と言えるでしょう。

 惜しむらくは、和紙に水彩画と言うことですので、当時に比べると色彩の劣化はかなり進んでいるようです。
 元の色彩を再現していただき、北斎らしい彩色センスが確かめられることを期待したいですね。(水)


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