「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年09月30日
[298]46度の熱湯でくつろぐ熱いヤツ、見つかる

 人がお風呂で快適に感じる温度は、39度から42度の間と言われています。それ以上の温度になると、ゆだったように肌が赤くなったり、熱に痛みを感じたりでいっときも入ってはいられません。


 ところが、世の中には変わった生き物がいるものです。

 46度を超す温泉の中で、すくすくと成長する熱いヤツ。

 いままでの常識をくつがえす摩訶不思議な生き物が、日本国内で発見されました。

 屋久杉で有名な鹿児島県・屋久島の南西、トカラ列島に属する口之島(くちのしま)。この島の南端にある「セランマ温泉」に、問題の生き物は生息しているのです。

 ヤケドしそうな熱湯で育つとは、いったいどんな凶暴な生き物でしょうか。

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※口之島 Googleマップより

温泉でくつろぐ日本のオタマジャクシ:湯の中でも生きられるカエルの幼生
 日本には、水温46.1度にも達する温泉に生息し成長するオタマジャクシがいます。温泉の中で生息することは、オタマジャクシの免疫システムに効用があり、その成長を促進し、淡水源の少ない小さな火山島での生存を可能にしているのかもしれません。

 同種のカエルのオタマジャクシが、台湾や日本列島にあるいくつかの温泉に生息していることは以前より知られていました。しかし、今回の調査で、このオタマジャクシは両生類の幼生として、これまで記録された中で最高温度の温泉で生息していることがわかりました。この研究は広島大学と総合研究大学院大学の研究者たちによって行われたものです。
日本の研究.com 2016年9月5日掲出)

 生息地が限られる孤島とはいえ、46度の温泉をわざわざ選ぶとは、よっぽどの温泉好きなオタマジャクシといえます。
 いえ、卵を温泉に産み落とすのはカエルですから、温泉好きなのは親ガエルかもしれません。

 このオタマジャクシは、成長するとリュウキュウカジカガエルというカエルになるそうです。

 ちなみに熱いことで有名な草津温泉は、「湯もみ」したあとの入浴温度は45度~48度と高温ですが、その入浴時間はたったの3分間です。いっぽうのオタマジャクシは一日中、温泉に入りっぱなし。

 江戸っ子が「水でうめるんじゃねぇ」などとやせ我慢したところで、しょせんは「カラスの行水」。勝負にはなりませんね。(水)

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「浮世風呂」(式亭三馬) 国立国会図書館デジタルコレクションより

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◆関連リンク
ここは刻を忘れさせる島
「鹿児島県 十島村 口之島」

「十島村立口之島小・中学校」


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