「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年09月16日
[292]驚きの挑戦状!ココイチカレー、インドに進出
ココイチといえば、カレー専門チェーンの略称で、正式名称は「CoCo壱番屋」。創業者のご夫婦二人で始めた喫茶店から、いまでは1400店舗(うち海外162店舗)を超す世界最大のカレーチェーンにまで成長しました。昨年にはハウス食品傘下に入ったことから、ご存じの方も多いことでしょう。 ◆いざ、行かん、インドへカレー道場破り。 そのココイチが、なんとインドへの出店を決意したそうです。カレーの本場、カレーを産んだ国、インドにカレー屋を出店するのです。ただごとではありません。 これはどういうことかというと、外国人が講道館に柔道を教えに来る、Ninjaが伊賀の忍者屋敷に忍び込む、茶帯のKarateka(空手家)が東京五輪で演舞を披露する、それくらい常識外れなできごとなのです。 ※色とりどりのカレーが並ぶタイ・バンコクのおかず横町(筆者撮影) インド人にウケるか? カレーのココイチが本場に挑戦 カレーチェーン「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋が、英国とインドへの進出を決めた。インドから英国経由で日本に伝わったカレーの伝来ルートを逆にたどるような出店計画だが、本場で"日本のカレー"は受けるのだろうか。(中略) インド攻略が世界への道を開く? カレーがインドから世界に広まった経緯を踏まえると、カレーで世界を制するには、まずインドを攻略する必要があると思われるからだ。ココイチが世界的なカレーチェーンを目指すとすれば、「インド人が認めたカレー」という称号は相当なアピールポイントになるはず。 (マイナビニュース/経営・ビジネス 2016年7月8日掲出) ◆インド人に習った、謎のカレーリーフ 筆者はかつて、エアーインディアに搭乗した折、隣りのインド人にこう尋ねたことがあります。 筆者:「日本では生のカレーリーフが手に入らないんだけど、どうしたらいいかな」 さすが、カレーの盟主を自認するだけのことはあります。彼はやさしく答えました。 インド人:「乾燥リーフで問題ありませーん。アメ横の野沢屋さんにあるよー、フフフ」 ちょっと得意げではありましたが、お店まで教えてくれたのです。 ※筆者が野沢屋でそろえたカレー用香辛料。乾燥カレーリーフは右上 それ以来、筆者がインド風カレーを作るときは、乾燥カレーリーフを欠かしたことはありません。ただしそっと扱わないとすぐに細かく割れてしまうのと、いざ食べるときに邪魔になるのが難点です。 しかし、一番の問題はもっと別の所にありました。このカレーリーフでカレーの味が良くなったのか、変わらないのか、さっぱりわからないことです。 ◆英国とインドへの進出は吉とでるか、それとも・・・。 かくのごとく、インド人はたとえ日本に住んでいても、香辛料にやたらと詳しく、また国民食のカレーにはプライドを持っているのです。 今回のココイチの発表には、カレー愛好家の間でも「ありえない無謀な冒険」、はたまた「勇気ある挑戦」と、その評価は真っ二つに分かれています。 実はある企業が、日本風テイストで海外の本家にチャレンジして、見事に返り討ちされた前例があったからです。中華料理チェーン大手の「餃子の王将」は以前、中国に出店しましたが、10年足らずで撤退しています。 中国撤退した「餃子の王将」、台湾で再チャレンジへ 王将は05年7月、初の海外直営店を中国・大連市に出店。水餃子が主流の中国で焼き餃子を売り込み、新たな市場の開拓をめざした。大連では複数の店を展開したが、約10年間で約2億円の赤字だったといい、14年10月に撤退を決めた。渡辺直人社長は当時、「日本の餃子の味が中国では受け入れられなかった」と説明していた。 (朝日新聞デジタル・西村宏治 2016年9月13日掲出) 自宅でカレーを作る回数を減らしたくない筆者は、外食でカレーを食べることは、まずありません。そのため「CoCo壱番屋」さんのカレーがどのような味か存じ上げませんが、日本人の味覚に照準を合わせたカレーが、果たしてインド人の舌に受け入れられるでしょうか。 出店を計画するイギリスとインドといえば、カレーを日本に伝えた二大カレー王国。将棋で言えば、「王手、飛車取り」で両方取ろうかという大技です(もちろん、両方取ったら反則負けですが)。 店名の由来ともなった「ココが一番(の味)や」精神が、ついにインドにまで届いたことを、いまは素直に讃えたいですね。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |