「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年09月02日
[286]NHK戦争証言アーカイブスで知る水木しげるの戦争体験

◆9月2日は日本が降伏した日◆

 1945年9月2日は日本が連合国各国とのあいだで降伏文書に調印した日です。
 当然のように、連合国側のいずれの国も第二次大戦が終了したこの日を戦勝記念日と定めています。

 いや、そんなはずはない。毎年8月15日が終戦記念日のはずだけど、と思う方も多いでしょう。確かにその日は当時の日本領全域に向けて「終戦の詔」がラジオから流れました。ところがそれは、日本軍と日本国民に向けて戦争を終了することを「発表した日」だったのです。

 交戦相手となる連合国側には、すでに前日の8月14日にポツダム宣言を受諾する、つまり無条件降伏を受け入れる、と伝え終わっていました。
 だからこそ8月15日には、朝から爆撃や戦闘がなく、日本国民は静かにラジオ放送に耳を傾けることができたのです。

 戦闘行為の停止から降伏文書調印まで半月ほどかかったというわけです。太平洋戦争はアジア全域で行われた戦争でしたから、じゅうぶん納得できますね。
 そして日本国民としては、8月15日の停戦のおかげでこれ以上の戦争被害に遭わずにすんだわけですから、この日を「終戦の日」としてもおかしなことではありません。

 さて、今回のコラムは、その戦争にまつわる話です。

◆戦争証言アーカイブスに出演していた「水木しげる」先生◆

 つい先頃、93歳にして大往生された漫画家・水木しげる先生は、激戦地のラバウルに出征しました。その地で左腕を失う大けがを負われて、まさに九死に一生を得て、帰国を果たされています。

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※おい、キタロー。流れているのは、涙ではなく、汗じゃ。

 筆者は水木しげる先生の『総員玉砕せよ!』やNHKテレビドラマ「鬼太郎が見た玉砕 ~水木しげるの戦争~」などで、その顛末を詳しく見聞きしましたが、このたびNHKのアーカイブに、水木しげる先生ご自身による貴重な戦争体験談を発見しました。

○戦争証言アーカイブス 「漫画で伝え続ける戦争体験 水木しげるさん」
(NHK 戦争証言アーカイブス 2010年4月28日収録)

部隊の任務と戦闘の概要はこちら
○[証言記録 兵士たちの戦争]生き延びてはならなかった最前線部隊 ~ニューブリテン島 ズンゲン支隊~
(NHK 戦争証言アーカイブス より)

 水木しげる先生のマンガと共に映像を見ることで、さらに作品への理解が深まることと思います。

 また、「NHK 戦争証言アーカイブス 全リスト」では、日本軍兵士だった方たちの証言が、作戦ごとに収録されています。

○「NHK 戦争証言アーカイブス 全リスト」
(NHK 戦争証言アーカイブス より)

 戦争を体験した方々の口から絞り出される、変わらない仲間への思い、生への望み、つらい記憶には、七十年以上経った今も胸を打つものがあります。(水)


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