日本では話題ばかりが先行していると思われていたクルマの自動運転。 東京都がオリンピック招致運動をしていた2013年頃、選手や観客の移動手段を自動運転にする、2020年までに都バスを自動運転で走らせる、といった威勢のいい記事が踊っていました。 残念ながら、その後の話題と言えば、グーグルの自動運転車が公道でテストを始めたとか、テスラの自動車はアメリカ大陸を自動運転で横断できたとか、海外の話題ばかりでした。 Googleの自動運転車、クラクションも鳴らせるように進化 Googleの自動運転車がまた1つ、次の段階に進んだようだ。開発チームは、マンスリーレポート上で、自動運転車の人工知能に、クラクションの鳴らし方を教えたと報告している。 (Response 2016年6月4日掲出) ところがここに来て俄然、日本のやる気が出てきたようです。 無人バス実現へ 元トヨタ技術者の挑戦 自動運転というと「乗用車で運転手がハンドルから手を離しても車が走る・・・」というイメージを持つ方も多いと思いますが、実はいち早く実用化されるとみられているのがバスやタクシーです。 このうち、バスについては大手通信会社のソフトバンクが、北九州市と提携して自動運転技術を使った無人バスの実証実験を進める計画です。先頭に立つのは青木啓二さん(68)。トヨタ自動車の元技術者です。「日本の自動運転開発の生き証人」とも言える青木さんに、自動運転の可能性を聞きました。 (NHK NEWS WEB/WEB特集 5月26日 経済部 野口恭平) 「2018年には実用化したい」との発言は、はったりではなさそうです。 と言うのも、行政側も民間の動きに歩調を合わせ始めたからです。 国交省が「自動運転基準化研究所」を設立 国土交通省は5月24日、自動運転の国際基準化に対応するための官民連携組織「自動運転基準化研究所」を設立しました。 同研究所は、日本の自動運転技術を国際標準化とすることを目的に、オールジャパンで対応するための組織です。自動運転は高精度な衛星測位技術が活かされる分野の1つですが、そのための技術開発や実用化を促進し、日本の自動車メーカーや部品メーカーが自動運転分野において国際競争力を確保するには、官民一体となって国際基準化などの議論を主導する必要があります。 同研究所は、そのために必要なデータを準備し、十分に戦略を練った上で国際的な議論に臨めるようにする組織であり、事務局は自動車基準認証国際化研究センター(JASIC)が運営します。 (内閣府・宇宙開発戦略推進事務局 2016年06月02日発表) 世界的に見ても日本は自動車メーカーが多く、各社ばらばらに開発した車両が、われ先にと道路を走り出すようでは、考えただけでも空恐ろしく、また混乱するのは目に見えています。基準化の旗振り役は必要でしょう。 ひとつ気になるのは、日本はマイナーな左側通行。運転席もマイナーな右側てす。左側で考えた基準システムが右側走行にも対応できるのでしょうか。 国際基準化をめざすとは言え、先進国で左側通行は、日本、イギリスと旧英領(オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール)など数える程度しかありません。おそらく、左側通行陣営で自動運転に取り組んでいるのは、日本ぐらいなものでしょう。 ただ、日本が手をこまねいて見ているだけでは、いずれ右側通行の自動運転システムが来襲してきて、人間の運転は危険で不経済だから、うちのシステムを導入しろと迫られることは目に見えています。 自動運転が左右の違いをどの程度気にするのか、または違いを吸収できるのかわかりませんから、当然、安全性が確保できないと通行も右側に変えさせられるでしょう。 パソコンの世界で起こったことが、いつか来た道で再現しそうです。 コンピュータOSのような一社独占の弊害が、自動運転の世界で起こらないことを願います。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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