「できる!」ビジネスマンの雑学
2016年05月16日
[239]平成の新常識、江戸時代に「士農工商」はなかった

 常識にとらわれてはいけない。これはビジネスでも生活する上でも、心がけておきたい教訓です。ところが子供の頃に真面目に勉学に励んだ人ほど、今の時代の新・常識にはついていけないようです。特に昭和に義務教育を受けた人は・・・。

「士農工商」という身分制度は存在しなかった?
教科書から消えたと話題に
「士農工商」という言葉が教科書から削除されているとネット上で話題となっている。
IRORIO・イロリオ 2016年5月2日)

 筆者も江戸時代は四つの階級があり、などと習った記憶があります。最近の歴史研究では、その階級制度そのものが確固たる規範ではなかったことが明らかになっています。

 坂本龍馬の実家は商家でお金を払って武士の階級を手に入れたようです。また、農民出身ともいわれる高山彦九郎は思想家として有名で、同時代の武士階級からも尊敬を集めています(『彦九郎山河』著:吉村昭)。江戸時代に今で言う行政改革や地方創世を実践した川崎平右衛門に至っては農民階級の出身ですが、最後は江戸幕府の勘定奉行(地位は旗本)にまで上り詰めています。

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 こうした実例があっても、今までは「例外中の例外」とか「身分にかかわらず特別に」などの但し書きがついていました。

 ところがこうした抜擢は、江戸時代において例外でも特別でもなかったようなのです。江戸時代の階級社会は、役に立つ人はその階級を飛び越えさせるだけのダイナミズムを内包していたのではないでしょうか。

 最新の歴史教科書は、かつての常識を打ち破る歴史解釈が次々と採用されています。

 たとえば江戸時代の鎖国はオランダや中国と貿易していた実績から、括弧付きで「鎖国」となっています。旧一万円札の「聖徳太子像」は聖徳太子ではなく、またその存在にも疑問符がつけられています。悲しいことに「いい国作ろう、1192年」で覚えたはずの鎌倉幕府の成立年度は、今では間違いとまでいわれています。

東京書籍
http://www.tokyo-shoseki.co.jp/e-mail/qanda/q-es-shakai.htm#q6

帝国書院 社会科Q & A ? 歴史
http://www.teikokushoin.co.jp/q_and_a/history/#q1

 義務教育で覚えたはずの知識が誤りであった。そう指摘されるとショックですが、もう一度私たちは、勉強をやり直す必要がありそうですね。(水)

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