皆さんは読書をしている時に、文章が声として聞こえていますか。もちろん実際に耳で聞くわけではありません。頭の中でそれらしい音声が流れていますか、という質問です。
海外の調査によると、黙読している8割もの人が、頭の中で文章が声として聞こえていることがわかりました。
本を読むときに頭の中で「声」が聞こえる人と聞こえない人がいることが判明
本などの文章を読む際に、声に出さずに黙読していても頭の中で文章を読み上げる「声」が聞こえる、という人が8割以上を占めていることが調査から明らかになりました。「読書中の内なる声」については、これまでほとんど研究が行われていない分野であり、幻聴障害の研究にも役立つのではないかと見られています。
(Gigazine 2016年2月25日掲出)
筆者はまったく聞こえない派なので、目で文字を追う時に、音はいわば無色透明、存在しないものと思って、これまで生きてきました。
おそらく誰もがそうなっているはずと思っていた筆者は、これまで疑ったことすらありませんでした。自分の読書スタイルと同じように他人もやっているはず。読書中は頭の中がどんな様子か、人と話した経験がありませんが、誰もが自分と同じだろうと考えてきました。
それだけにこの調査結果にはとても驚いています。うかつでした。しかも手紙やメールになると、それを書いた差出人の声色が、頭の中に湧いてくる人もいるとか。
ここまで念入りな演出付き黙読があるとは、筆者の想像をはるかに超えています。
■紙芝居は声色を使い分けた演出が欠かせない
調査は「Yahoo Answer」(英語圏)の投稿から、136件の回答をまとめたものなので、厳密な研究ではなさそうです。それにしても、心の中で声が聞こえる人がこんなにいるとは驚きました。
読書スタイルは、ひとによって全く違うということでしょうか。それともスマホの読み上げ機能の影響でしょうか。ひょっとして英語圏の人だけの現象なのか。日本に読書研究会に類する組織があるなら、ぜひとも国内でも実態調査してほしいですね。
そういえば、筆者の知り合いで、根を詰めて読書するとのどが疲れるという人がいました。この方は黙読していても、どうやら音読のときのように自然と喉が動いてしまうようでした。
この話を聞いたときは変わった人だと思ったのですが、いま思い返すとそれがその人の読書スタイルだったのですね。
読書は身近な体験ですが、よくよく聞いてみないと、人は体の内側でどんなことをしているのか、心の中はどんな状態なのか、実はまったくわかってはいなかったのです。
そのことを知ることができた、興味深いニュースでした。
さて、皆さんの読書スタイルは、どんなスタイルでしょうか。(水)