昨年末のニュースですが、小学生のスマホ利用について警告した新聞記事がありました。
小6の7割がスマホ利用 LINEのやりとりはまるで高校生
「指導せねば1人で歌舞伎町に行かせるのと同じ...」
国内の世帯保有率が6割を超え、急速に普及したスマートフォン(スマホ)。東京都の調査では小6の4人に1人が自分用の端末を持ち、親ら家族の端末も含めると普段スマホを使用している小6は実に7割に上る。いつから持たせれば良いのか、トラブル回避にはどうすべきか、親の心配はつきない。中高生だけでなく小学生にも適切な使用方法の指導が急務となっている。
(産経新聞 2015年12月1日掲出)
この記事を読んで筆者が感じたことは、小学生にはツィッターが危険を呼び込む入り口になることを、家庭や教育の場で教え込む必要があることです。また女子高校生が平日にスマホを使う時間は7時間を超えていることにも驚きました。SNSを使ったメッセージ交換に時間を費やしているのでしょうが、ひとりで物事を考える時間がほとんどないことになります。
成長期から思春期にこうした状態を過ごして成人するとしたら、どんなコミュニケーション能力を身につけることになるのでしょうか。
スマホはその小さなボディにもかかわらず、他のITツール、たとえばパソコンやテレビなどと比べても遜色ない情報収集能力を備えています。手のひらにパソコンやテレビ、音楽プレーヤー、高性能カメラを同時に持っていることになります。
数年前には数十万円はかかったはずのITツールが、月に数千円の使用料で手のひらに現れたのですから、誰しも使いたくなるのは当然です。
ただ、スマホにはひとつ難点があります。この一点がために筆者は、スマホを通話とショートメッセージにたまに使う程度で、ITツールとして使うことはほとんどありません。
筆者がスマホを積極的に使わない理由。それは、スマホはただの情報ビュワーにすぎないという点です。コンテンツを制作する能力を備えないスマホは、何時間触れていても、コンテンツを生み出すことはありません。
コンテンツクリエーターは、情報を見ることでなく、湧き起こるイメージを文字や画像、映像などの形にすることで生きています。
制作する楽しみのないツールほどつまらない道具はありません。それがスマホです。
筆者のこの意見は偏った見方と、賛成できない方も多いことでしょう。最近、新作が発表された映画「スター・ウォーズ」。その監督であるJ.J.エイブラムス氏はこう嘆いています。
J.J.エイブラムス監督 『フォースの覚醒』をスマホで観るのは「ホントにやめて!」
4月1日、『スターウォーズ / フォースの覚醒』のデジタル版が本国アメリカではリリースされる事が公式に決定している。
デジタル版をダウンロードすれば、PCはもちろんタブレットやスマートフォンの画面上でいつでもどこでもフォースの覚醒を楽しめるようになるわけだが、J.J.エイブラムス監督はスマホ上での視聴を快く思っていないようだ。テキサスで開催中のポップカルチャーとテクノロジーの祭典『SXSW』の講演でこう語った。
「映画を作ってる人はみんなこう言います。"頼むから僕の映画をソレ(スマホ)で観ないでくれ"ってね。自分の作品をあんな小さな画面で観られてしまうなんて、ストーリーテラーにとっては悪夢ですよ。」
いつでも好きなときに好きな作品を鑑賞できるのは嬉しい事だが、スマホの小さい画面ではその真の魅力は伝わらないだろう。とりわけ初めて観る作品については、やっぱりちゃんとした環境で観るのが一番だ。
(ORIVER 2016年3月20日掲出)
なんでもスマホ、そろそろ止めにしませんか。
筆者はとりあえず、ツイッターは庭に来る野鳥とだけやり合ってます。(水)