春節。日本人にはなじみのない言葉ですが、2月8日の今日は旧正月の「春節」にあたるそうです。日本人の感覚に直すと、7日が大晦日、8日が元旦になります。
春節といえば昨年の流行語大賞になった「爆買い」ですね。昨年は中国人だけでも499万人の来日があり、訪日外国人全体の消費総額は3兆4771億円(観光庁調べ)にものぼったとか。
訪日外国人観光はりっぱな産業に育ちました。
「訪日客消費」が持つ力
観光庁が今月発表した平成27年の訪日外国人消費動向(速報)を見て、改めてうなった。宿泊費や買い物代、飲食費などの消費総額3兆4771億円は、前年の自動車部品全般の輸出額に匹敵する。訪日客消費が重要な産業となりつつあることを印象づけた。
とりわけ中国人消費のすさまじさには驚かされる。1人当たりの買い物代は16万1974円で、2位ベトナムの2倍強、米国の5.5倍の水準だ。(経済部長 内田透)
(産経WEST・【編集日誌】 2016年1月28日掲出)
今週一週間は旧正月のお休みだそうですので、日本中いたるところで、中国をはじめとした主にアジア圏のお客様を目にすることでしょう。
かつては日本のどの業界でも2月のこの時期は、2・8(ニッパチ=2月と8月)といって、物が売れない、人が出歩かない月と嘆いていました。その頃を知る人には、一番寒い時期に大挙して訪れる中国人観光客はとてもありがたい存在だと思います。
この爆買いは長くは続かないと警鐘を鳴らす人もいます。確かにモノは行き渡ると売れなくなります。
しかし、観光とはモノを売ることだけでしょうか。日本には温泉や伝統行事、古い町並みなど、観光スポットはたくさん眠っています。昨年当コラムでご紹介したタバコ屋のシバちゃんなど、意外なものが脚光をあびています。
いまは爆買いに満足している人々も、味わったり、体験したりする観光に移行するでしょう。そのときどれだけ満足できるサービスを提供できるかが、日本が観光立国として生き残る最終テストになるでしょう。
モノやお仕着せの観光地案内では、目の肥えた外国人には通用しません。外国人観光客の皆さんに日本の観光資源を発掘してもらう時代が、来ているのではないでしょうか。(水)