バター不足の昨今、ニュースやコメントを見ていると、バターの作り方があちこちで紹介されています。
バターが売り場になければ、生クリームをペットボトルに入れて10分間振り続けましょう。そうするとバターができます、とのこと。
筆者の家族:「なんだか窮乏生活をしいられた戦時中みたいね」
筆者:「まぁ、バターが売り切れたお店には生クリームもないけどね」
バターが棚にひと箱もないのに、農水大臣が「国民の皆さん、バターのまとめ買いを慎みましょう」と呼びかける新聞記事を見たときは、戦時中もこうだったのかな、と筆者はひとり感慨にふけりました。
信じがたい話ですが、近年のバター不足は消費者の買い占めが原因と思われています。
バター1万トン追加輸入...乳業各社は恒常化を懸念「買い占めに走れば今年も品不足に」
農水省は生乳の生産量を拡大するため、酪農家の支援に予算を重点配分するなど対策を急いでいるが、効果が出るまでには一定の時間を要する。「消費者がバターの買い占めに走れば、今年も品不足になるかもしれない」と、乳業各社はバター不足が恒常的になる事態への懸念を強めている。
(SankeiBiz 政策・市況 2015年5月28日)
気温30度以上の真夏は作る気がしませんでしたが、10月下旬の今は、自家製バターを作るにはぴったりの季節です。
10年ほど前から、筆者はパン焼き用のホームベーカリーマシンで天然酵母や自家製バターを作っています。この機械で30分ほど回すと、確実にバターができあがります。
■左は材料の生クリーム。右は完成品
その昔、荷車に下げた牛乳入りのバケツが、帰り道のあいだ、絶えず揺られ続け、家に着いてふたを開けたらバターになっていた、というのがバターの始まりと聞きました。
あとは3匹の虎が、ヤシの木をぐるぐると・・・。
この話でもわかるとおり、気の短い人にはバター作りはおすすめできません。また、バターの材料は生クリームです。牛乳をいくら振ってもバターにはなりませんので、ご注意ください。
【バターを作る材料の用意】
乳脂肪分45~47%の生クリームを使います。今回は「タカナシ・特選北海道純生クリーム47 200ml」を入手しました。
30%のものもありますが、47%の方がバターの取れる割合が断然多いです。
■生乳の表記があること
タカナシの生クリームは20%オフの300円で2パック購入。
【作り方】
1.1パック200mlの生クリームに120mlの水と6グラムの塩を足します。
2.あとは30分程度、ホームベーカリーでかき回すだけ。ピチャピチャと水のはねる音が聞こえたら完成です。
■作成途中。固まり始めました。
■バターが完成しました。
3.ガーゼでつつみ取って水気を切り、ラップに包んで冷蔵庫にしまいます。
【結果】
2パックから250グラムの有塩バターと500mlのバターミルク(ホエー液)が取れました。バターミルクはパンを焼くときの材料になります。この液を使えば、バターを入れなくても2回分のパンが焼けますから、幾分かはバターの節約になります。
なお、手作りバターは保存料が含まれていないので、賞味期限は3~4日です。
【評価】
600円で約250グラムのバターを手にできました。
いま、200グラムの有塩バターを買うと450円です。しかし、無塩バターは500円以上、高級バターになるとそれ以上の値段はします。
さて、筆者の手作りバターは高級バターの価値があるのでしょうか。
できたてをひとくち、いただいてみます。
「ウーン、残念。わからない」
筆者は高級バターをいちども味わったことがないのに、いま気づきました(水)