民放5社が一致団結して、見逃した番組をネットで見ることができるサービスを10月26日から始めるようです。
民放5社による広告付き無料"見逃し"配信「TVer」は10月26日スタート
在京民放5社(日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビジョン)は9月28日、テレビ番組を広告付きで無料動画配信するサービス「TVer」(ティーバー)を10月26日にスタートすると発表した。
テレビ放送後、次回放送までの期間限定で視聴できる"キャッチアップサービス"。ドラマやバラエティを含め、各局が毎週10コンテンツ程度、合わせて50~60コンテンツの配信を行う計画だ。ユーザーは、PC、スマートフォン、タブレットで視聴できる(予定)。また全局連携テレビ情報アプリ「ハミテレ」に掲載されている情報も「TVer」で提供されるため、番組関連の話題もチェックできる総合テレビサイトになるという。
(ITmedia 2015年9月28日掲出)
配信番組数が少なすぎるという声もあり、この試みが成功するかは、まだ未知数です。今年はNetflix, Amazonなど、格安の動画配信サービスがいくつもスタートしたので、何もせずにじり貧に陥るのだけは避けたいという思惑もうかがわれます。
一方で、民放キー局5社が2012年から提供していた「もっとTV」を、2015年1月31日に終了しています。
「もっとTV」が3月にサービスを終了――「対応端末が拡大せず」
もっとTVは、放送番組の見逃し視聴を可能にする"民放VOD"として2012年4月にサービスを開始。それまで各局が個別に提供していたVODを一括提供し、より利便性の高いサービスを目指し、対応テレビやAndroid端末からコンテンツを購入・視聴できる仕組みを作った。後にNHKも参入し、今年1月には月額900円(税別)の「見放題サービス」も追加していたが、「対応端末が拡大せず、継続は難しいと判断」(電通広報)、サービス開始から丸3年で終了することになった。
(ITmedia 2014年12月22日掲出)
ところで、制作サイドにとって気になるのはやはり、視聴率の扱いでしょう。視聴者がネット配信だけを見て番組放映を見なければ、当然のように視聴率は落ちてしまいます。視聴率が低すぎると、どうしても打ち切りになったり、続編がなくなることにつながります。キャッチアップサービスの視聴者数をどのように視聴率に反映させるか、頭の痛いところでしょう。
現在の視聴率の計測方法が、今の視聴者のライフスタイル、視聴スタイルに合わなくなっていることは確かです。この計測方法を変えない限り、番組制作者の努力が正しく評価されることはなさそうです。
このままのスタートでは、民放5社のせっかくのチャレンジも、「もっとTV」と同じようにあだ花と終わりそうな気がするのは、筆者だけではないはずです。(水)
民放公式テレビポータル「TVer」 公式サイトはこちら
https://tver.jp/
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キャッチアップサービス:放映後のテレビ番組を、インターネット上で視聴できる動画配信サービスのこと。「見逃し視聴」「見逃し配信」とも言う。