スマートフォンを充電するとき、寝る前にセットして、朝までそのままにしていませんか。
その方法は間違いではありませんが、スマホもノートパソコンも、バッテリーを100%満充電させるのは、これからはやめたほうがよさそうです。
と言うのも、どうやらリチウムバッテリーは満充電を繰り返すことで、バッテリー寿命、ひいてはスマホの寿命を短くしているのです。
8割充電で寿命は1.5倍 正しいバッテリーの使い方
パソコンやスマートフォン(スマホ)のバッテリーが持たない――。誰もが一度は体感したことがあるだろう。特に、長年使ってきたバッテリーは、充電しても以前のように長持ちしない。だが、工夫次第でバッテリーの寿命を延ばすことも可能だ。
(中略)
満充電による劣化の防止には、容量が80%になったら充電を止めるのが有効だ。「実験では80%の充電を続ければ、満充電と比較して寿命が1.5倍に延びた」(富士通 パーソナルビジネス本部 武田義郎氏)とのことなので、日ごろから80%充電を続ければ寿命は確実に延びるはずだ。
(日経Web 2015年8月26日掲出「日経PC21」9月号記事(石坂勇三)を再構成))
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO90353050Q5A810C1000000/?df=2
満充電にするとバッテリーが劣化しやすいという理由は諸説あり、断定はできませんが、バッテリーとしては100%の状態は決してうれしくはないようです。
すでに一部のパソコンでは「いたわり充電」、「80%充電モード」などの呼称で、ノートパソコンの充電を80%で止めるツールを装備しています。
残念ながら、スマホにはそのような機能はありません。今のところ、満充電の前にアラームが鳴るようスマホのタイマーをセットして、手動で充電を止めるしか方法がなさそうです。
このほかにもバッテリー延命の技として、真夏の自動車内で高温にさらさない、極度に寒い場所に放置しないなどの注意を呼びかけています。
筆者の経験では、0%まで使い切らないことも重要かと思います。また、バッテリーは衝撃にも弱いので、落下させたりぶつけたりするのも避けたほうがよいでしょう。
■デザートは別腹扱い、スマホ充電用バッテリー。
この8割充電の法則は、リチウムバッテリーを搭載する電動アシスト自転車や電気自動車にも当てはまるようです。数年前に鳴り物入りで登場した電気自動車ですが、今年に入って、バッテリーの早すぎる劣化が問題となっています。まだまだ航続距離の短い電気自動車を8割充電で使ってというのは、メーカーとしては難しいことだったのでしょうね。
ところで、「腹八分目がよろしい」と言ったのは、『養生訓』を書いた江戸時代の本草学者にして儒学者の貝原益軒です。江戸の教訓が平成のスマホに通じるとは、不思議なものですね。(水)