6月は音楽の定額試聴サービス競争(AWA、LINE MUSIC、Apple MUSIC)が注目を集めました。(当コラム:[068]音楽配信サービス三つ巴、生き残るのはどこ)
その熱気も冷めやらぬ9月、今度は動画見放題をうたう動画配信サービスの戦国時代となりそうです。
通販大手のアマゾンは8月27日、プライム会員であれば追加料金なしで動画が見放題になる動画配信サービスを、9月から開始すると発表しました。実質的に会員への無料サービスとなります。
Amazon、動画見放題「プライム・ビデオ」日本でスタート
プライム会員は追加料金なし
アマゾンジャパンは8月27日、動画見放題サービス「プライム・ビデオ」を9月にスタートすると発表した。Amazonプライム(年額3900円)会員は追加料金なしに利用できる。
国内外の映画やテレビ番組、ドラマ、アニメやAmazonオリジナル作品などをAmazonプライムの年会費で見放題になるサービス。AndroidやiOS、Kindle Fireなどさまざまなデバイスで再生できる。4Kコンテンツも提供するという。
(ITmediaニュース 2015年8月27日)
一方、動画の黒船ともいわれる「Netflix」。いよいよ9月2日から、本格始動します。SD画質(従来のTV画質)ながら、月額650円という破格の安さ。HD画質のスタンダードプランなら、2デバイス契約で月額950円も魅力です。ソフトバンクとの提携も発表しています。
ソフトバンク、Netflixと業務提携 キャリア決済対応、月額650円から
ソフトバンクは8月24日、日本版を9月2日に開始する定額制動画配信サービス「Netflix」と業務提携すると発表した。月額650円からの利用料金をキャリア決済に対応するほか、オリジナルコンテンツの共同制作も視野に入れる。サービス申し込みから決済までをまとめて提供するのは国内で同社のみという。
(ITmediaニュース 2015年8月24日)
ソフトバンクの光回線と一緒に契約すれば、視聴料金はケータイや回線使用料とまとめて支払えます。また、申込みから支払いまで店頭で対面しながら一括手続きできる手軽さは、スマホに慣れた若者に限らず、デジタルにうとい方にも強いアピールになるでしょう。
気になるコンテンツは、公式サイトにて随時紹介しています。
「Netflix」公式Twitter
Appleは9月9日に開催するプレスイベントで、新型「Apple TV」を発表する模様です。「iOS 9」、Siriを搭載した「Apple TV」は、ユーザーの好みを分析してお勧め番組を提案する「Proactive」機能も発表されるのではと推測されています。
この機能を持つ「Apple TV」と上記の動画見放題サービスとを組み合わせることで、提案される映像を取捨選択していくうちに、自分好みの番組表が自然にできあがると考えられます。
従来のTV番組のように、垂れ流しの映像を見るのではなく、またネット網や視聴率などTV局の意向にも左右されない、まったく違った映像サービスになるでしょう。
9月発表(?)の新「Apple TV」はiOS 9搭載とのうわさ
(ITmediaニュース 2015年8月19日)
海外の動画サービスはあの手この手でユーザーをからめ取り、スタートダッシュで大量の契約をもぎ取っていく計画のようです。
国内の動画配信サービスは、日本独自のコンテンツが豊富にあるため優位性は揺るがないとの見方ですが、はたしてどうなるでしょう。
huluやdビデオなど、国内組の巻き返しはあるのかないのか。9月に始まる動画サービスの戦国時代、目が離せませんね。(水)