「できる!」ビジネスマンの雑学
2015年08月04日
[107]「昭和天皇のお言葉」公開される 宮内庁

 2015年8月1日、宮内庁から昭和天皇の「終戦の詔(みことのり)」を含む、太平洋戦争関連の資料が公開されました。

聖断の緊迫感今に 原盤初公開 70年ぶり再生、
デジタル録音 御文庫付属室も
 宮内庁は1日、戦後70年にあたり、昭和天皇が国民に終戦を伝えた玉音放送の原盤と再生した音声、昭和天皇が玉音放送を聴いた皇居内の御文庫(おぶんこ)付属室の写真などを公開した。原盤と音声の公開は初。付属室は、終戦の聖断を下した御前会議が開かれるなど終戦間際の重要な舞台だった。
産経ニュース・皇室 2015年8月1日)

 「たへがたきをたへ しのびがたきをしのび」であまりにも有名な終戦の玉音放送は今も再聴する価値があります。それにもまして興味深かったのは、昭和21年5月24日に出された「食糧問題に関するお言葉」でした。

「昭和21年5月にラジオ放送された昭和天皇のお言葉」
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taisenkankei/syokuryo/syokuryo.html

お言葉の原稿 「お言葉」(PDF形式:73KB)
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taisenkankei/syokuryo/pdf/okotoba.pdf

 昭和21年頃といえば、日本の大都市における食料の欠乏は重大問題でした。この頃、東京で学生生活を送っていた叔父たちから、街の食堂でご飯を食べるときには、お米を持参しないと食べさせてくれなかったと筆者は聞いたことがあります。また「外食券」というものがないと、定食屋には入れなかったようです。
 そんな時代に出された昭和天皇のお言葉。「同胞たがひに助けあつて」苦しい時期を抜けだそう、「国民が家族国家のうるはしい伝統に生き、」祖国を再建しよう、と国民を励ます一節には、胸を打たれます。今の日本には失われたかもしれないし、信じる人はもういないかもしれない、国民の心のつながりを確認するメッセージが、昭和天皇のお言葉からダイレクトに伝わってきました。
 こうした一級の資料が日の目をみたことは良かったと思います。一般公開されたことで、わたしたちが敗戦直後の様子を知るための貴重な財産となりました。(水)

15080401.jpg
----------------------
出典:宮内庁ホームページ・ 「当庁が管理する先の大戦関係の資料について」(http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taisenkankei/index.html)
「終戦の玉音放送」
(http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/koho/taisenkankei/syusen/syusen.html)

コメントを書く
お名前
URL
コメント
書籍購入はこちら 語学音声アプリ 公開中 閉じる