「できる!」ビジネスマンの雑学
2015年07月23日
[099]ユースホステル(YH)の今とこれから

日本のユースホステルが苦境に陥っている(?)ようです。

YHって何? 施設数・利用者激減 門限もやめました
 世界最大級の宿のネットワーク「ユースホステル」(YH)が、国内で受難の時代を迎えている。施設数はこの10年間で99棟減少し、昨年の利用客数はピーク時の10分の1、会員数は20分の1程度にまで落ち込んだ。最近の客層は、他の客との交流を望みつつ、プライバシーを重視する傾向が以前より高くなったのが背景にあるという。(後略)
(朝日新聞デジタル・藤原学思 2015年7月19日より引用)
http://www.asahi.com/articles/ASH7L5HS4H7LUTIL019.html

 学生時代、お金のなかった筆者は主にユースホステルを泊まり歩いて、日本全国の見聞を広めました。また、ニューヨーク、シンガポールなど宿泊費が高そうな地域でもお世話になりました。

20150723.jpg

 学生には大変重宝するユースホステルがなぜ、ひとり沈んでいるのか。プライバシー重視というなら、いま流行のシェアハウスがはやるはずはないし、記事の話が本当なら他にも原因がありそうですね。

 協会がまとめた事業報告書がインターネットに公開されています。

「平成26年度 事業報告書」
一般財団法人 日本ユースホステル協会
http://www.jyh.or.jp/koukai/26houkoku.pdf

 この事業報告書からわかることは、都心にある直営店の経営は上向き傾向、利用率は底を打った。ただし登録者は減少傾向。筆者は新聞記事に書かれているほどの悲壮感は、読み取れませんでした。

 1970年代のような過去の盛況ぶりと比較すると、確かに規模は縮小していますが、協会の運営自体は危機的状況ではなさそうです。また、会員ひとりあたりの宿泊回数を見ると、1990年の6泊/年より、2014年の10泊/年と宿泊数は増えています。いたずらに会員数を増やすより、何度も宿泊してくれる人を増やした方がいいことは確かです。

 地方都市には、料金に差のないビジネスホテルがいくつもあります。今後は大都市で低価格のユースホステルを展開すれば、すぐに業績は上がるでしょう。
 ただし、訪日外国人が増えている中、外国人をうまく取り込めていないようです。ワールドワイドに見れば、知名度の高いユースホステルですから、残念なことです。円高、東日本大震災で落ち込んだ外国人宿泊客をどこまで回復できるかが、これからの課題ではないでしょうか。

 また、今や首都圏と言える埼玉県に、ユースホステルがひとつもないようです。交通の便利さを考えれば、東京オリンピックまでには埼玉県にも設けていただきたいですね。
 ユースホステルはひとり旅でも気軽に泊まれる貴重な存在です。次世代の若者にぜひとも継承していただきたいですね。(水)

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日本ユースホステル協会ホームページ
(http://www.jyh.or.jp/)

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