筆者が子供の頃、両親も祖母もほとんど戦争の話をすることはありませんでした。父は宮崎で高射砲部隊にいましたが、高性能の望遠鏡を覗くと昼間でも流れ星が見えた、ご飯がおいしくて太って帰ってきた、くらいしか話を聞いていません。母は戦時中は教員で戦争に負けたことを純粋に残念がっており、祖母は大根メシを食べさせられたのを最期まで恨んでいました。
戦後の学校教育はさすがに戦争があったことだけは教えましたが、敗戦までの昭和の歴史はすっぽりと抜け落ちた状態。明治維新は歴史上の人物一人ひとりの活躍までも語られるのに、昭和以降の歴史は今もないも同然といえるでしょう。
そんな歴史欠乏症を解決する貴重な展示が、東京でふたつも開催されています。
「ポスターに見る戦中生活 須藤亮作コレクション」
山﨑記念 中野区立歴史民俗資料館
2015年7月5日(日)まで 入場無料
開館時間 午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
最寄り駅:西武新宿線沼袋駅北口徒歩8分
※1500枚以上のポスターコレクションから戦時中のものを展示
「戦時下のくらし」
練馬区立石神井公園ふるさと文化館 2階 企画展示室
2015年8月16日(日)まで 観覧無料
開館時間 午前9時~午後6時(月曜休館。7月20日は開館、7月21日は閉館)
最寄り駅:西武池袋線石神井公園駅徒歩15分
※戦時下の生活資料、練馬区域の子供たちの学童疎開、成増飛行場などを紹介
※7月5日、20日は13時から学芸員による展示解説会あり。
※8月9日 14~16時 ふるさと文化講座 「帝都防空成増陸軍飛行場と特攻隊」 講師:山下徹氏 定員:100名。
申込方法:7月22日より電話受付(03-3996-4060)
練馬区立石神井公園ふるさと文化館・展示
http://www.neribun.or.jp/web/01_event/d_furusato.cgi?no=4611
当時のポスターや資料を見ることで、なかなか語られることのなかった、戦時中の歴史に触れてみませんか(水)