今のお店に来てから2年経ちましたが、絶対にエンド台から外せない本があります。
それは今回ご紹介する有吉佐和子『青い壺』。もともと有吉佐和子さんが好きだったわけでもなんでもなく、お客様が気づかせて下さった1冊です。
この本が新装版として出た時、自分の中では単なる文春文庫の新刊の1冊でしかありませんでした。特に品出しをしている時も気にとめるでもなく棚前に置いていました。ところが、毎週売上をチェックするとこの文庫が妙に売れていました。もちろん、その時もあまり気にせずに売れた分+α位で追加をしていましたが、何週も続くと流石の自分も注目するようになりました。全国でも同じような反応があったお店が多かったのか、重版がかかるとのFAXが出版社より届きました。
装丁を見ていただくと分かるように、(良い意味で)非常に地味で、100冊・200冊でどかんと展開するような本ではないと自分では思いました。それでもここまでお客様が買っていただけるとどこまでそれが続くのか反応が見たくなり、棚前からエンド台に場所を移し、4面にしてみたり、いい新刊が出ると1面に縮小してみたりと、あまり主張しすぎることなく、現在までエンド台で展開を続けていますが、コンスタントにまだ売れ続けています。
年配のお客様が多いお店でしたら是非一度お試しください!
啓文堂書店久我山店
荘司正之
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『青い壺』
著者:有吉佐和子
出版社:文藝春秋
ISBN: 978-4167137106
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