始まったばかりの2012年、皆様いかがお過ごしでしょうか?
大垣書店商品部の吉川です。
今年元旦から弊社のホームページをリニューアルいたしました。
約1年がかりで、見やすくお客様にお伝えしたい情報がわかりやすく掲載できるデザインとはどんなものかを、たくさんの方と一緒に考え、形にしたものです。
デザインを考える上で参考にするために、デザインの本をいくつか読んだのですが、その中でとても参考になった本をご紹介します。
『シンプル・プレゼン』 (日経BP社)
著者のガー・レイノルズは、米アップルでプレゼンのプロとして各地を飛び回った経験をもつ、プレゼンの実施・指導の世界的第一人者。スティーブ・ジョブズ流のプレゼンに日本文化の「禅」を融合させた手法を説いた世界17カ国で発売される大ベストセラー『プレゼンテーションZen』の著者です。
彼が提唱するプレゼンのキーコンセプトは3つ。
情報をあれやこれやと詰め込みたくなる気持ちをおさえる「抑制」、欠くことのできないエッセンスだけを抽出する「シンプル」、表現方法は「自然体」を心がけること。
もっとも難しいのはメッセージを絞り込むこと。何かを加えるより、何を省くかの判断が重要かつ難しく、多くを訴えるよりも、要素を絞り込んで訴えた方が伝わるのだと説きます。
「池や流水を用いず、石や砂で山水の風景を表現する日本庭園「枯山水」は、砂以外はほとんど何も配置されていない中に、選び抜かれた岩が配置されているからこそ、空間全体が引き立って見えるのです」と例にあがっていますが、要所で日本文化がたとえとして用いられており、大変理解しやすいです。
私は今回ウェブサイトのデザインについて参考にさせてもらいましたが、本来は人前でのプレゼンテーション方法について講義したものなので、聴衆を飽きさせないプレゼンテーションの構成について、ブレインストーミングの方法についてなど、プレゼンにまつわるありとあらゆる知恵が詰まった1冊。
しかもなんと、本書の内容を実際に著者がプレゼンするDVDがついてくるのです。
本書を読んだ後にDVDを見ると、ポイントのおさらいにもなりますし、何よりも磨き抜かれたプレゼンは一種のエンターテインメント!
魅了されてしまうこと請け合いです。
「プレゼンテーション能力の向上」とは、単純に「パワーポイントの技術を磨こう!」という事ではなく「わかりやすく相手に情報を提示し、理解と納得を効果的に得る技術の向上」、つまりコミュニケーションの能力とアピール力をアップさせることにつながり、生活のありとあらゆる側面で役に立つのではないかと思わせてくれた1冊でした。
私なりに「抑制」「シンプル」「自然体」であることを念頭に置いて組み立てたホームページもぜひ見に来てくださいね。
株式会社 大垣書店
吉川敦子
書名:『シンプル・プレゼン』
著者:ガー・レイノルズ (著), 日経ビジネスアソシエ (編集)
出版社:日経BP社
ISBN:978-4-8222-3054-8
本体価格:2600円