2011年は、忘れられない年になりました。
3月に起きた、東北地方太平洋沖地震。
明日は何が起こるかわからないのだというあたりまえのことに気づかされた、大きすぎる災害でした。
その後、結婚する人の数が急に増えた、というニュースがありました。
震災で直接的な被害にはあっていなくとも、ひとりでいることに不安を感じたり、誰と一緒にいたいか、どのように生きていきたいか考えたりと、改めて自分の人生に向き合った人が多かったのだと思います。
年末にかけて2011年を振り返り、そして今後はもっとよりよく生きようと2012年に思いを馳せた方も多いのではないでしょうか。
しかし、どこから改善したらいいのかわからない、やる気が続く自信が無い、という方もいると思います。
特にそんな方に手に取っていただきたいのが、『あたりまえだけどなかなかわからない人間のルール』です。
当店では半年以上大きく積み続け、今もなお売れ続けています。
来られるお客様がよりよく自分の人生を生きようとする、その手助けをできていると思うとうれしい限りです。
ルールと言われると正しすぎるような、堅苦しいような気がするかもしれませんが、この本は人間のネガティヴな面にも触れています。愚かで欲に支配されていて、驕っていて弱くて、むしろそれが人間なのだと肯定的です。
自分の弱さを受け入れ、それでも力強く踏み出そうとする人を励ますあたたかさがあります。
2011年、どう生きたか。
2012年、どう生きるか。
考えるためにこの一冊、是非お手元に。
ささおき書店
藤原千代
書名:『あたりまえだけどなかなかわからない 人間のルール』
著者:入江 光海(イリエ テルミ)
出版社:明日香出版社
ISBN:978-4-7569-1200-8
本体価格:1365円
お茶したい。おいしいコーヒーが飲みたい。
そんなときは、まっすぐに、最寄りのスターバックスに行くとよいだろう。
お洒落な内装、このうえなく感じの良い店員さんたち、おいしいドリンク。
ちょっとお高めだけれど、十分に価値のあるワンコインだ。
しかし、そんな完璧にみえるスタバにも欠点はある。
そう、すべてがスマートすぎるのだ。
全部が素敵だから、素敵でない自分がその空間を壊すのが怖い。
すごいプレッシャーだ。
かっこいい、かわいい、おしゃれ・・・
ん、なんだ、お前は。
すみません。生きててすみません。
でもおいしいコーヒーが飲みたいんです。
お洒落な店員さんに「赤いランプの下でお待ち下さい」って言われたいんです。
穂村さん、そんな僕も、
最近はココアを豆乳で頼めるまでになりました。
ショート、ソイココ。
紀伊國屋書店 前橋店 平野高丸
書名:『人魚猛獣説―スターバックスと私』
著者:穂村 弘(ホムラ ヒロシ)
出版社:かまくら春秋社
ISBN:9784774004501
本体価格:1365円
早いもので、今年もあと少し。
皆様方にも良いこと・悪いこと・幸せなこと・そうでないこと。・・・きっと様々なことがあったかと思います。
その中のほとんどの事が、きっと"忘れてもよい"か"忘れてしまうもの"
(はたまた人によっては"忘れたいもの"なのかもしれません)に分類されると思います。
2011年3月11日14時46分に発生した東日本大震災・・・私たちにとって、この震災は一生涯忘れることは出来ないでしょうし、決して忘れてはならないものになりました。
もしかしたら、忘れようと思えば思う程、彼の地・出来事への "想い"は強くなるのかもしれません。
最近出刊された、石井光太さん著作の「遺体」。
ここに収められたルポタージュには、震災発生当初から、現在をもってしても我々に報道されて来なかった、出来なかった"死の現実(リアル)"がまるでナイフの様な鋭さで綴られています。"死""希望""再生"・・・実際にその場にいなかった私たちが簡単には語れない物事。個人的な感想ですが、震災後、あまりにも簡単にこれらの言葉を見聞きしてきた様に思います。そしてあたかも、何もかもを知っているかのようになってしまい・・・。
この本は"死"の後の"遺体"と、その"遺体"に直面されてきた方々を中心に描かれています。きっと生前からそれぞれがたくさんの大切なものや思い出を作り、何かを、誰かに残してきた体。そこには「現実」があります。残酷と思われる方も、たくさんいらっしゃると思います。でも、誰もがいつかは遺体となります。それもまた「現実」です。
だからこそ、誰もがきっと、何かをこの本から汲み取れるはず。そう信じたい。
現在だからこそ私たちは、「現実」と向き合う必要があるのかもしれません。
読み終えた時、何なのかは漠然としていて至極曖昧だけれど、心のどこかをきっと
"もう一歩だけ前に"進ませてくれる。何よりも、言葉に出来ない大切な"何か"を改めて学ばせてもらえる。そんな1冊。
重要なのは、この本が物語ではない日常の断片ということ。日常の延長に未来があるのなら、断片にも目を向けるべきだと私は思っています。
注)今回はオススメ本としてではなく、推薦本として、コメントさせていただきました。
ブックファーストアトレ吉祥寺店
岩崎 高史
書名:『遺体』
著者:石井 光太(イシイ コウタ)
出版社:新潮社
ISBN:9784103054535
本体価格:1575円