それはきっと、気づかないふりをしているだけ。本当はいつもそばにある、私だけの小さな幸せ。
「Tiny・Tiny・Happy」略して「タニハピ」は、4階建ての大型ショッピングセンターだ。
シネコンを併設し250以上の大小様々なテナントを抱えるショッピングセンターの中では、今日も誰かが泣いて笑って働いて、そしてまた違う誰かのことを思っている。
「タニハピ」を舞台に、仕事に恋に生活に一喜一憂する8人男女の、それぞれの"小さな幸せ"を描いた連作短編集。
夫婦であったり友人であったり恋人であったり、実は彼らは繋がりあっていて、誰のどの生活にも、その心の揺れにもリアルに共感できてしまって、やがて彼らが暮らしの中でささやかな喜びを見つけていくたびに、私の心はじんわりあたたかくなるのだった。
読後、素直に「フツウの人生って素晴らしい」と思えるこんな本に出会えたこと、これこそがきっと、私だけの小さな小さな幸せなのだ。
今井書店グループセンター店
竹内麻紀子様
書名:『タイニー・タイニー・ハッピー』
著者:飛鳥井千砂
出版社: 角川書店
ISBN: 978-4-04-394454-5
本体価格:660円