この世で一番好きな食べ物はなんだろうか。
例えば最後の晩餐に何を選ぶ?と聞かれたとしよう。
「腹いっぱいステーキを食べたい」それもいいだろう。
「いまだ食べたことの無い世界各国の料理」それがもし口に合わなければ?
「満漢全席」ラクダのこぶとか、タヌキの唇出るんですよ?
「おにぎりと味噌汁」では、明日死ぬのに?
ボクには何も思い浮かばない。だって、体調も違えば、環境だって違うじゃないか。風邪引いてる時に脂っこいのはゴメンだ。赤の他人と食べるのに長時間拘束されるフルコースはゴメンだ。
そんなもんだから「澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。」には結構共感できたのだ。
飯関連の本が好きで目に付いたらとりあえず買う性格なんだが、これはあんまり期待せずに買ったのだ。また「赤ちゃんと僕」とか「高杉さん家のおべんとう」みたいなのかなって感じで、ま、キープって感じ。んでも、一話目から秀逸で驚いた。たった8ページでおうちゴハンとは何かを一発で解決している。
友達の母親が作った料理と言えばいいだろうか。友人宅でゴハンをご馳走になる時の違和感。例えばカレーライス。それは普通のカレールゥを使っただけなのに自分の知りうるカレーとは違うカレー。それは甘かったり、具材も違っていたり様々だけども、美味いとか不味いとかではなく違和感を感じてしまうのだ。自分ン家のカレーと違うという,それだけの事実なのに、ものすごく違和感を感じるのだ。
そうなんだ。
おうちゴハンはそれだけ大切で優秀なコミュニケーションツールなのだ。
よく見たら山田可南。おやまぁとちょっとびっくり。女性セブン連載とかなりびっくり。ほっこりとした、いい人ばかりの物語。ぜひ試してみて欲しい。幸せな家族の物語だ。
あなたの幸せの食卓がいつまでも続きますように。
書名:澤飯家のごはんは息子の光がつくっている。
著者: 山田可南
出版社:小学館
ISBN:978-4-09-134057-3
本体価格:524円
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