子どもの心・・・とタイトルにはあるのですが、今回私がオススメしたいのは社会人の方。
特にこの春、誰かの上司になった方、または、現在既に誰かに指示を出す立場にいらっしゃる方です。(もちろん!子育て本としても秀逸ですので、悪しからず。)
世の中が変わり、世代が変わり、何よりものの捉え方や考え方が変わる。それに由来する、世代間のギャップ・・・。仕事中、様々な場面においてジレンマを感じる・・・感じたことはありませんか?まあ、このテーマ、古来より普遍な課題だとも思いますが・・・。
この本の良いところは、わかりやすくていねいな事例がふんだんにあって、かつ実用的であること。休日にゆっくりとご自宅で腰を据えて読むのは勿論、日常の通勤で読んでもわかりやすく書かれているためか、電車の中でも自然と頭に入ってきます。
私もこの本を読んで早速、仕事場や私生活でいくつか試してみました。ちなみに、実生活でも小さな子供がおります。で、仕事場でもそうですが、少し考え方やしゃべり方、接し方を変えるようにしました。最初は少しだけ意識する位でしたが、継続して短期間取り組んでいたところ、明らかに受け取り手の表情や、私に対する接し方などに以前とは違う(変化までいくかは微妙ですが・・・)面がみられるようになってきました。
私は普段、一度読み終えた本を読み返すことはしないのですが、この本が有効活用出来ることがわかってからは、時間がある時などに目を通すようにしています。
もしも貴方が現在、何らかの場面で、ご自身の部下等の教育方法やその指示力に少しでも疑問をお持ちならば、悩む前に是非一度、この本をお手に取る事をオススメします。
ブックファーストアトレ吉祥寺店
岩崎高史
書名 :子どもの心のコーチング
著者 :菅原 裕子
出版社 :PHP研究所
ISBN :9784569668932
本体価格 :580円
鮎
月は割れ
くだり鮎の横顔を打つ
孕みに触れる小石は
きのふ投げた僕の小石か
虫と瀬はいつぽんの蠅となり
いち枚の秋の夜の舌
恐るるものなきこの俺を
いま舐めづり 締めつけてくる
骨は鳴り 眼底はひらけば
またも木橋の下に黒刄は棲み
かかる夜 いく匹の鮎
かの黒き刄を噛む
最初にこの詩に出会ったのは25年以上も前の高校時代、文芸小冊子(見開き2ページ)の
特集の中でした。
「月は割れ/くだり鮎の横顔を打つ」この鮮烈な言葉とイメージの広がりは、
それまで全く詩など読まなかった自分にかなりの衝撃を与えました。
最近になって全集が偶然手にはいったため本当に久しぶりに孤高の詩人、淵上毛銭の
世界にどっぷりつかっています。
淵上毛銭とは
熊本県葦北郡水俣町(現・水俣市)に生まれる。本名・喬(たかし)。
東京の青山学院中学部へ進学していたが、脊椎カリエスを病んで中退・帰郷。
以後、寝たきりの生活を余儀なくされる。病床で詩作を始め、「九州文学」などに作品を発表。
また戦後の1946年、水俣青年文化会議を組織するなど、郷里の文化活動の発展に貢献した。
1950年、35歳の若さで死去。
生前、山之口獏とも交流 があり1943年に出版された第一詩集『誕生』に「序詩」を寄せています。
では次の自分の好きな詩をひとつ。
脱皮
ただぼくは
もう先あそこの川べりで見た
ぬか雨に濡れた山羊の
まつ白い顎髯のやうに
美しく悩んでゐたいのだ
現在、「淵上毛銭詩集(石風社)」が入手可能のようです。興味のある方はぜひどうぞ。
沖縄ブックボックス
営業本部 久保誠
書名 :淵上毛銭詩集
著者 :淵上毛銭
出版社 :石風社
ISBN :9784883440412
本体価格 :1,890円