ミシマ社HPの既刊本紹介コーナーには以下のように紹介されている。
東京では、ほぼ毎日どこかで「ハレ」がある!
歳時・祭り・イベント、全307の季節の行事を一挙紹介。
最寄り駅、今月の花だより、イベントカレンダー、インデックスなど、情報・資料も充実の毎年使える保存版。
そうだ、今日も祭りへ行こう!
まさしくこの惹句のとおり、とても便利で祭りに行きたくなる本である。
根津のつつじ祭りや、早咲き桜の河津桜祭り(伊豆まで行かずともこの桜がみられることを知った!御殿場線松田駅なり)、浅草の流鏑馬などなど、この本を手にしなければ出会えなかった祭りがたくさんあり、私はこの本にたいへん感謝している。
「祭り」という言葉は不思議だ。心に思い浮かべると、なんだか胸のあたりがキューとなってスーン!とする。子どもだった頃に感じた縁日の喧騒、楽しくてドキドキが止まらない気持ちが、今でも突如として蘇ってくるからだと思う。縁日で買うものがチョコバナナやわた飴から、ビールとイカ焼きに変わっても(笑)、やっぱり今でも縁日の
夜の空気を嗅ぐと楽しさで胸がドキドキする。
花を愛でる祭りや神社の厳かな年中行事など、大人になったからこそ楽しめる祭りもたくさんあって、
私の行動範囲をひろくしてくれた。ごく親しい友人と散歩しながらおしゃべりしたい時、私はまずこの
本を調べてどこかで祭りが行われていないかを調べる。休日の朝、急に「どこかに行きたい!」とい
う衝動に駆られたときもそう。ちょうどいいお祭りがなくとも、パラパラとめくってこの神社行ってみた
いな、こんな公園があったんだ、など行ってみたいところが見つかることが多い。
祭りが好きというと、なんだか浮かれた人のようだけれど、「ハレ」を楽しむことは心を浮かれさせる
ことよりも静めることに効果があるような気がしている。出かけていって、参加し、その行事を、花を、
きちんと味わう。日常をちょっと忘れて、だけど自分の目と心で味わう。ハレの気分がまた明日から
日常を生きる自分を整えてくれるような気がする。
疲れたら「祭り」を探して行ってみよう!名づけて「祭り療法」。薬としてこの本を処方いたします!
有隣堂 新百合ヶ丘エルミロード店
店長 門脇順子
書名 :東京お祭り!大事典―毎日使える大江戸歳時記
著者 :井上一馬
出版社 : ミシマ社
ISBN : 9784903908113
本体価格 :1,680円