「
2015年には国内の民間貯蓄が、財政赤字を埋められない」とか「かつてのアルゼンチンを引き合いに日本が語られとるがな!!」(The Economist誌、2010年、11/20-26号)など、デカい話もいいですが、「就職できないんですけど・・」とか、「給料マジ上がんねぇ」など身の丈レベルで、十分にヤバさを感じる今日この頃。
さらに各々の置かれた環境が違うなかで、最大公約数的良書を提示するのはなかなか難しいものです。
ここは自身の思い入れを通すか、はたまた時の荒波にも負けず生き残った古典にするか、などと迷ってましたが、もっとメタな、まさに「どっちにすんべ?」の「選択」に関する新刊が出たので、それを紹介します。はい、どーーん。
コミュニタリアンのサンデルおじさんを皮切りに、大学講義シリーズは、「大漁じゃーい!!」なほど、何匹目のドジョウ?状態ですが(本著もコロンビア大学の講義です)、うんざりすることなかれ。どれもツマんない講義したらクビになっちゃう、ガチな環境に置かれた教授たちなので、一匹一匹のドジョウがラスボスレベル。もはやドジョウじゃなくてウナギです。アナゴでもいいか・・まぁどうでもいいですね。
話を戻しますと、どんな環境にいても、私たちは常日頃から「選択」をしなければなりません。そして、現代はその「選択」の重要性を改めて感じているときかもしれません(国家レベルでも個人レベルでも)。にも拘らず、「選択」に関しての書籍はあまり目にしてこなかったように思います。ロジカル・シンキングなどのメソッドを踏まえた上での正しい解の導き方等はありましたが、本著はそれとは違った切り口、主に"環境"を軸にして「選択」そのものについて言及できないかを試みた野心的な著作です。
内容を紹介するよりも今回はその「選択」の根源性を訴えた方が、興味が湧くかなと思いましたので、このへんで。純粋なレヴューはamazonに任せます。レヴューとしての強度はどうしたって向こうの方が上ですからね(多くの人に晒されてる分)。この書籍に関しては、
amazon.com(←海外のほうです) でもっとも支持されているレヴューが、一番長所と短所を捉えられていて、良いのではないかと思います。
ちなみに本著を読んだ後、もっとビジネス寄りをお求めでしたら、『
まさか!?』(ダイヤモンド社 ISBN:978-4-478-01228-4)がオススメです。
TSUTAYA TOKYO 六本木店
西田 倫太郎
書名:選択の科学
著者:シーナ・アイエンガー
翻訳:櫻井 祐子
出版社:文藝春秋
ISBN:9784163733500
税込価格:1,700円
書名:まさか!?―自信がある人ほど陥る意思決定8つの罠
著者:マイケル・J・モーブッサン
翻訳:関谷 英里子
出版社:ダイヤモンド社
ISBN:9784478012284
税込価格:1,890円