前回紹介した「
FUTENMA 360°」に引続き今回も普天間関連書籍を紹介します。
ただ今回取り上げる書籍はかなりハードな一冊です。
著者の森本敏と聞くと、親米保守のイメージがあるた
め個人的には過去の著書はあまり評価していませんが、本書は日米外交、国内の政治問題、沖縄問題の複雑な経緯を裏側も含め、 詳細なデータと綿密な取材から問題の本質をついた力作となっていると思います。
この問題に限らず沖縄で米軍問題はどうしても感情論になってしまい、ことの本質が後回しになってしまうこともあるため、普天間基地問題の発端から現在に至るまでの過去十五年を三期に分類し、その経緯を時系列で客観性を持って書かれた本書は普天間問題を理解する上で重要な書籍の一冊であると思います。
ただ圧倒的なページ数にもかかわらず無理なく読めてしまい、かなりの説得力があるためこれが全てであると思う危険があります。
犯罪が起きたときに実際の被害にあうのは前回紹介した本のなかに描かれている普通に暮らしている人々であり、当然そこに目を向ける必要があります。(個人的にはまず地域協定を見直すことからできないのかと思いますが。)
沖縄からわざわざ森本さんの著作を紹介するのはなぜ、と思われる方もいらっしゃるかと思いますがドキュメンタリーを見ているようなリアルな作品となっていますのでご一読をオススメします。
沖縄ブックボックス
営業本部 久保誠
書名 :
普天間問題の謎
著者 :
森本 敏
出版社 :海竜社
ISBN :
9784759311327
本体価格 :2,310円