沖縄で米軍相手の賭け野球に400勝、負けなしの主人公、天才勝負師・渡久地東亜(とくちとーあ)は、万年最下位プロ野球球団リカオンズの天才バッター児島弘道と出会い、リカオンズ優勝を請け負うことになる。
日本人は野球の技術は小さい頃から教えられているが、勝負の勝ち方となると三流以下だ。
リカオンズのメンバーは、そう言う渡久地に、勝負の厳しさ、勝つこととは、自分の責任とは、と技術面のことより勝利に必要なメンタル面の刺激を受け、変わっていく。本編のストーリーは、この内面的な改革、敵との心理戦、そして駆け引きを駆使したリカオンズがペナントレースを優勝するまでを描いている。
そしてこのストーリーの要所要所で渡久地が口にする名言が、日ごろのルーティンワークで感じるところが少なくなっている私たちに、ガツン!ガツン!と突き刺さる。
汚れた排煙を垂れ流す工場の社長はそのエントツのすぐそばに居を構える。
それが責任をとるってこと」
「勝負に勝つってことは、相手の屍を踏み越えること。けっしてきれいなものじゃない。
それでも勝ちたければ、鬼になれ」
今の不況の中で、つい「しょうがない」と能動的になれない現代人たちは、こういう時にこそ
どんな心構えで今の状況に立ち向かうべきなのかを、真剣に考えないといけないと思う。
ビッグウィル 阿倍野店
月形 智記
著者:甲斐谷 忍
出版社:集英社
ISBN:9784088757995
毎日毎日暑い日が続いております。
皆さん夏バテしていませんでしょうか?
こうも暑いと仕事帰りやシャワーの後に冷たいビールをキュッと、という気分ではないでしょうか?
僕もそういう気分になるのですが残念ながらビールが飲めません・・・。
日本酒も焼酎もダメです。飲めるのはカクテルだけ。
居酒屋さんでもモスコミュールとかジントニックとかを注文しています。
そんな僕がオススメする本はコミックの「バーテンダー」です。
カクテル好きだからお勧めするというわけではないのですがこのコミックの中にはとても心に響くセリフがたくさんあります。
今日は特にお気に入りのセリフを2つ紹介したいと思います。
まずひとつ目のセリフ。
これは1巻の一番最初のお話に出てくる主人公のセリフです。「世の中に絶対にお客様を裏切ってはいけない仕事がふたつあります。ひとつは医師・薬剤師ではもう
一つは?バーテンダー、どちらも処方(レシピ)ひとつで毒にも薬にもなるものを売っていますから」
うーん、シブいです。
でもこの「お客様を裏切っていけない」って接客業を生業とする人たちにとって共通に持っていなければ
いけない意識だと思います。僕も常々そうありたいと思っています。
そして二つ目のセリフ。
これは主人公ではなく日本一のバーテンダーと言われる人のセリフです。
「バーの仕事の8割は磨くことです。開店前には店を磨き ボトルを磨き 氷を磨く そしてそれ以上に
大事なのは... バーテンダーとしての魂(スピリッツ)が曇らないように磨くこと」
このセリフを書店員風にアレンジすると「開店前には店内を清掃して 本の埃を拭いて 棚や本や帯の
乱れを直し それ以上に大事なのは... 書店員としての魂(スピリッツ)が曇らないように整理整頓する
こと」といった感じでしょうか?
僕自身このコミックを通じて感じることは多々ありますが、読むたびに思うのは接客業のプロとはこう
あるべきだということと、自分だけのバーとバーテンダーさんを見つけたいということですね。
宮脇書店 大阪柏原店
主任 荒井 俊和
書名 :バーテンダー
著者:長友 健篩 (著)、城 アラキ (クリエイター)
出版社:集英社
ISBN:9784088594545
本体価格:530円