BSEが発生していた最中に、イギリスに留学していた。
だから僕は献血が出来ない日本人である。
その4年間の留学では、色々なことを体験させてもらった。
当然排他的にも扱われたし、文化の違いに戸惑ったこともある。
中でも一番を挙げるとするならば色々な人と話が出来たことだろうか。
それは学生だとか主婦であったり、香港の富豪の息子に、敬厳なイスラム教信者、カジノのお姉ちゃん、煙草をせがむ子供、酔っ払い、八百屋のおばちゃん、果てまた海外赴任の日本人だったりと、本当に様々だ。
そこで一つだけ得たものは「俺は俺」。
だから僕は嫌われる。
仮に、ビジネス客である外国人に「日本の何か」を説明するとなれば、あなたは何を話すだろう。
ビジネス書の出版社webを見るくらいだから、それ相応の知識はあると僕は予想する。
簡単なのは寺・寿司・コウベビーフ・ケータイあたりだろうか。それは当たり障りが無く、
誰にでも通用し、世界的にも有名なお話だと想像する。
お話が進み、「あなたの日本人としての誇りは何ですか?」と聞かれたとする。
あなたは答えられるか?即答できる人が羨ましい。僕には即答できない。
今回紹介する本は、「日本についてどう思う?」と街角で外国人にインタビューした本だ。
350人分の意見感想が、英語と日本語で、ただ写真と共に掲載されている。
日本人は礼儀正しいとか、美意識が凄いとか、もっと自由に生きろ、とか少しずつの
インタビュー内容とともに掲載されている。
僕は序盤の"Respectful"に強く惹かれた。
"polite"じゃないんだと、割とショックを受けた単語だ。
僕は思う。あれ?でもそんなに言うほど今の日本って"respectful"か?"kindness"か?
僕はイギリスにも似たような印象をもっているぞ。
結局、僕の日本人としての誇りは「無」ということか?と、読了後にふと感じた。
本は基本的に外国人のコメントのみのため、一般的に30分もあれば読破できる
程度の文章量だ。
なるほどと思いつつ、読み終えたなら、棚に仕舞ってしまうのも仕方ない。
だが、待って欲しい。再度、気が向いたときにパラパラ捲ってみるのだ。
気づくこと気づかないことがこの本、特に英単語に含まれている。
ipadやkindleが出てきて、我々出版業界は焦っている。
けれど、そもそも既にウェブサイト、ウェブログ、ツイッター、ケータイ小説やコミックが
普遍化している日本だ。
既に電子ドキュメントはメジャーだと僕は感じている。
そんな中、読み捨てにしない、書籍としての価値がこの本にはあると思った。
検索性なんか要らない。
ふと日本について疑問が湧いた時に何の意図もなくページを捲る。
いつかボロボロになるまで。
外国人から見たニッポン
著者:岸 周吾
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ISBN:978-4-88759-725-9
本体価格:1,260円
マイブックシェルフヤマナ
取締役総合統括 山名弘晃
http://www.yamana.co.jp