ビジネス書で好きな本となると、今でもまず手に取ってしまうのがこの本。
追われる仕事をいかに上手にさばいていくか。
このことに主題をおいて、具体的な解決法を解説している本は、今でも大変多い。この本に出会うまで、私もこんな内容の本ばかり読んでいた。なかなかいろんな本の書いてある通りにならない状況にあった私は、この本の一文「手帳の真ん中に線を一本引き、午前と午後にする。そして予定を全て書く。そしたらその文字の間にある空白を見ろ。そこにあなたの余裕があり、考えるための時間がある。」この文章を読んだとき、こんなことで本当に余裕を持てるようになれるのか。疑問しきりであったが、道楽の多い私は、自分なりに空白にあたる時間に楽しいことを考えるようにした。そうすると、今まで真剣に考えようとしなかったような少々難解なことも、考えてみようと思うようになってきた。この本の中に、著者の轡田さんが様々な考えるための材料も用意してくれているので、ページをめくりながら自分なりの考えをめぐらすのも楽しい。
必死で仕事をしている時、キャパの少ない私のような頭では「今、この解決法が当てはまる!」なんてことは、まず考えられない。どんな素晴らしい解決法も、それを思い出して実践するなんて、そこまで頭が回らない。
だったらそれができる余裕を探そう。それだったら、私にもできている気がする。このできている気になっていられるというのは、大切なことじゃないのかなあと思う。
忙しいだけの毎日を送るより、その中でいろんなことを考える毎日のほうが充実しているのは確かなのだから。
書名:「考える力」をつける本
著者:轡田隆史
出版社:三笠書房
ISBN:978-4837916710
本体価格:1300円
ビッグウィル 阿倍野店
月形 智記