誰にでも一度や二度、経験があると思います。 「テスト前になると、勉強そっちのけで部屋を片付けたくなる」瞬間が。 ◆テスト前なのについやってしまう、これって異常?はたまた・・・ もしくはテスト直前なのに、何十巻もある長編マンガを一気読みしたり、おもしろくもないゲームやテレビに延々と付き合ってしまう、などなど。その後に来る深い自己嫌悪は、筆者にも学生時代の苦い記憶として残っています。 テストの勉強を無意識に逃げている?そんなわけはない、という人も多いでしょう。だったらいっそのこと試験を受けなければ済む話、と言いたくもなりますね。ただし、そこまでの蛮勇を起こす人はまれです。多くの人がこうしたサボりをしながらも試験は受けるのは、なぜでしょうか。 そこにはちゃんとした理由があったのです。 実はこれらの行動は、決して異常な行動ではないのです。テストや入社試験などの直面する試練から、理由を付けて回避して自分を守ろうとする「無自覚の本能」からくるものと言われています。 もし全力で勉強したのに、テストの結果が予想以上に悪かったらどうなるでしょう。自分の能力が全否定されてしまいます(本当はそうではないのですが)。もしくは周囲から笑われるに違いないと落ち込んだり、ひどい自己嫌悪に陥るかもしれません。 ところが、掃除やマンガで勉強する時間を取れなかったため、結果が悪かったのであれば話は違います。自分の実力は今回のテストでは都合により発揮できなかっただけですから、自分の能力はまだまだわからない。そう思うことで不勉強に目をつぶり、自らに救いを与えていたのです。 ◆ヒトは理性だけでは行動していない。だからこそ起きてしまうトラブル 試験前なのに勉強に手をつけられない。そのワケとは、自分が「本気さえ出せば、こんな成績では終わらない」と言い訳を用意して、自分を救う正当な行動だったのです。実力をフルに発揮する機会を次回に譲るとともに、正当な評価も先送りというわけです。 参考書を買い込みすぎて試験準備がうまくできない学生、試合中のイージーミス連発で実力を出せない選手、締め切りを守れず失踪する漫画家、仕事のミスをウソで隠し続けるサラリーマンなど、程度の差はあれ、その多くは本能が前面に出てきて、自分を無意識に守ろうとした結果だったのです。 人間は論理的に行動しているようで、その実、本能に支配されているものなのですね。 この行動は、心理学用語で「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれ、「結果がだめな場合の言い訳を事前に用意する」自己防衛本能と言われています。 試験の直前に弱気を口走るのも、同じ防衛本能からくるものです。 本番前に言い訳をしたくなる心理「セルフ・ハンディキャッピング」 学生時代、テストの前に「私全然勉強していないから、ヤバい!」と言い出す子は、居ませんでしたか? 「私もだよ」と安心していたら、全然勉強していなかったはずの子の方が、良い点を取っていたりして? 本番前に「言い訳」を用意する方は多いもの。 セルフ・ハンディキャッピングは、自我防衛機制の一つです。つまりは、自分のプライドを守るために、あらかじめ「言い訳」を用意しておくということ。失敗しても成功しても、自分にとってオトクな状況が生まれます。本番前以外にも、異性の前で「私モテないから......」と言ってみたり、難しいことを頼まれたときに「私バカなんです......」と言ったりするのも、まさにセルフ・ハンディキャッピング。 (マイナビ・ウーマン 2013年12月2日) さて、なぜこんな面倒な話を延々と書いたかというと、「試験勉強に手がつかない行動は、誰にも起きることで簡単には止められない」ということを伝えたかったからです。 ◆本能の呪縛からのがれるには、どうすればいいか では、この問題はどうすれば解決できるのでしょうか。以下は一例ですが、次のように考え直すことで改善する場合があります。 勉強したいはずなのに、勉強に手が付かず別のことをしてしまう。この行動原理は本能ですから、自分はサボっているとか自分はダメな人間だとか、自己嫌悪になる必要はもうありません。あなたが本心から起こした行動ではないのですから。 こう考えるのが、第一のステップです。 このことを理解した人は、自らの意志で「自己防衛本能を解除」できるようになります。勉強したい気持ちを抑制する本能のリミッターをオフにしてしまいましょう。 これが第二のステップ。 この二段階を経たあなたは、勉強に立ち向かう意欲を持つことができます。そうなってしまえば、あとはわかりますね。脇目もふらず猛然と勉強できるようになりますよ。 これが第三のステップ。 最後のステップは、自信を持って試験に臨むだけです。 次回の試験勉強で、ぜひ試してみてください。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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