パクチーとはタイ語(パックチー: Phak-she)の呼び名で、中国語では香菜(シャンツァイ)、日本ではコリアンダーやコエンドロ、はたまた中国パセリやタイパセリと呼ぶ人も多いようです。和食の三つ葉や小ネギのように、アジアンフードにはつきものの薬味ですね。 ところが、昆虫のような(?)ニオイがダメという方もいて、その独特の香りから、カメムシ草とも言われています。カメムシのニオイと同じということのようのですが、筆者はカメムシのニオイを嗅いだことがないので、真偽の程はわかりません。 パクチー抜きにしないとひと口も食べられない人には、残念なことに、アジアンフードはどうやら鬼門のようです。 ◆日本にも増えてきたパクチー愛好家 最近では日本人の嗜好が変わってきたのでしょうか、パクチーへの苦手意識もずいぶん薄れてきたようです。 中国パセリに熱狂する人々 タイ料理が火付け役、 パクチー使ったパスタソースやカレーも登場 独特な風味のため少し前までは苦手な人も多かった香菜のパクチーが注目を集めている。タイ料理などエスニック食ブームがきっかけとなり、「パクチスト」と呼ばれる熱狂的ファンを狙ったパクチー料理の専門店もできている。さらにパクチーを使った調味料やインスタント食品も続々と登場。レシピ本やパクチーの家庭栽培キットも発売されるなど、家庭でエスニック料理の味を楽しむ「うちパク」需要も高まっている。(田村慶子) (産経WEST【ビジネスの裏側】 2016年9月2日) 大手スーパーでは、ココナッツミルク、タイしょう油のナンプラー、トムヤムクンの素は、いつの間にか定番の調味料として棚に並ぶようになりました。 さらには、カオマンガイ(蒸し鶏のごはん)、マッサマンカレー(南タイのイスラム風チキンカレー)、フォー(ベトナム麺)までもカップヌードルやレトルトとして登場。 これらの食品にはパクチーがソースや薬味に混ぜ込まれていますから、いやがおうにも食べざるを得ないはずですね。 ※シャンツァイ、香菜、パクチー、コリアンダーと 4つも違う名前がつく珍しいハーブ。 パクチーもいよいよ日本の食卓に市民権を得たのでしょうか。 ◆パクチーのうま味は、葉よりも根にあります 筆者としては、日本でのパクチーの認知度はまだまだと思っています。というより、利用方法にまだ誤解があるようです。 せっかくですので、筆者がタイの料理教室で習ったパクチー料理のお作法を披露しましょう。 パクチーは薬味として、葉の部分をきざんで使う方が多いと思いますが、それでは使いこなしているとはいえません。パクチーにはもっと重要な部分と果たすべき役割があるのです。 それは、根っことタネ、シード(seed)です。実はパクチーのうま味エキスは根にあると言われています。根を使いこなすのがパクチー料理の基本です。 トムヤムクンスープやタイカレーなどでは、茎と根の部分ををたたきつぶして、ダシを取るのが基本です。また、カオマンガイでは、根をお米と一緒に炊いて、香り豊かに仕上げます。要は、和食で言う昆布のように使うことで、料理の味に深みが出てくるというわけです。 また、タネはコリアンダーシードなどの名前の香辛料として出回っています。ミルなどですりつぶしてカレーに使ったり、ディップに混ぜ合わせて用います。生のハーブとは違ったさっぱりとしたさわやかな風味が特徴です。 生のパクチーを購入する場合は、根を切り落とした葉だけのものは避け、根っこがしっかり張ったものを買うのがコツですね。 もし、手に入らない場合は、9月の暖かいうちにタネをまいておけば、十日ほどで発芽します。春薪きは成長は早いのですが、すぐに花が咲いて枯れてしまいます。秋蒔きでゆっくり育てるほうが長く楽しめるのです。霜よけをすれば冬越しも可能です。パクチーは暑い国の食べ物と思われていますが、日本でも真冬以外は収穫できるすぐれたハーブなのです。 半日陰で育てると、柔らかな葉をつけてくれますので、ぜひ自家栽培をお試しください。(水) --------------------- 「できる!」ビジネスマンの雑学 ジャンル別 --------------------- 〇ニュースを読む 〇出来事 〇本・雑誌 〇IT関連 〇旅 〇食と料理 〇教育 |
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