タイ王国ではほとんどの都市に、いえどんな田舎町であっても、よく整備されたバスターミナルがあります。行き先は英字でも表示され、整然と並ぶ乗車口は、外国人でも乗り間違える心配は少なく、筆者はタイを訪れた際はとても重宝しています。
■風格漂うタイのバス
■行き先はタイ文字と英語を併記
■天井が高く開放的な待合室
■乗降口付近
一転して東京はどうでしょう。今まで整備されたバスターミナルはありませんでした。新宿西口にバスターミナルこそあれ、わずかな便しか発着できず、その他の多くは道路端が出発地点。案内もない道ばたで目的のバスを探すのはとても大変でした。バスの乗客が冷遇される東京とくらべると、タイの方が進んでいると思っていました。
今年4月4日、日本でもようやく本格的なバスターミナルが完成しました。新宿駅南口向かいにできた、その名も「バスタ新宿」。
新宿に日本最大のバスターミナル「バスタ」開業
39都府県結び1日1600便 4万人利用
東京のJR新宿駅に直結する国内最大級のバスターミナル「バスタ新宿」が4日、開業した。ピーク時には高速路線バスの発着は1日最大1600便を超え、約4万人が利用する。タクシー乗り場や観光情報施設も併設された一大交通拠点で、高速路線バスが39都府県との間を結ぶ、新たな東京の玄関口が誕生した。
(産経ニュース 2016年4月4日掲出)
【新宿高速バスターミナル】
http://shinjuku-busterminal.co.jp/
場所は新宿駅南口を出てすぐの甲州街道をはさんだ向かい側。新宿駅から直結した乗降口が設けられているそうです。
今どき何故にバス、と疑問の方も多いでしょう。いえ、目的地によっては、列車の接続が悪かったり最寄り駅がなかったりする場所もあります。たとえば、御殿場や長野県飯田など、高速バスを使うと格安かつ短時間で着く都市は意外に多いのです。
ところで、この「バスタ新宿」、とても立派なビルなのはわかります。新宿に空いた土地がないことも理解しています。ただ、新宿に集結するJR線をまたいで建つこの空中楼閣、大地震への備えは大丈夫なのでしょうか。
九州では高速道が立体橋の崩落で寸断されている現状、どんな揺れにも耐えられる構造であることを祈らずには居られません。(水)
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