1940年代、第二次大戦中のアメリカでは、敵国の組織をいかにして機能不全にするか、大まじめに研究していたようです。
CIAのスパイマニュアルに学ぶ「会社をダメにする11の行動様式」
第二次世界大戦時のCIAの秘密資料。題してSimple Sabotage Field Manual。要は、敵国内のスパイが、組織の生産性を落とすためにどのような「サボり」ができるか、という「サボり方ガイド」である。2008年に公開された。(なお、正確に言うと、CIAの前身組織、Office of Strategic Servicesの作成文書である。)
(On Off and Beyond[渡辺千賀] テクノロジー・ベンチャー・シリコンバレーの暮らし 2015年11月4日より引用)
このブログで引用された文書には、1944年1月17日の日付とともに「William J. Donnovan」のサインがあります。
「ウィリアム・ドノバン」は、第二次大戦中は戦略諜報局(OSS)を創設し、この組織を引き継いだのが現在のCIAであるため、ウィリアム・ドノバンはCIAの父ともいわれています。
第二次大戦中、OSSは、世界各国でのスパイ活動やサボタージュ運動を展開していました。一例を挙げると、タイ王国でシルク専門店を創業したジム・トンプソンもOSSメンバーでした。
では、組織をダメにするポイントには何があるでしょうか。渡辺千賀氏のブログから一部を抜粋します。
・スピーディに物事を進めない 「注意深さ」をうながせ
・案件を検討する委員会は最低5人以上
・指揮命令系統を守り、抜け道を許すな
・その決定は組織の権限内なのか、必ず疑問を唱えよ
・決定事項は蒸し返せ
・言葉尻にこだわれ
・些細なことにも完璧を求めよ
・ひとりで承認できることでも3人の承諾を求めよ
どこかで一度は聞いたことがある文言ばかりが並んでいます。
●七福神も会議は開くのだろうか
会議には事業の推進力を減速させる側面は少なからずあります。しかし、組織がひとつの目標に突き進む前に、事業の問題点を洗い出し、スタッフの力を結束させるには、ミーティングや会議は今でも有効な手段です。
筆者はコピーライターとして、そしてゲーム制作者として、ブレーンストーミングやKJ法を使ったアイデア会議では、一定の成果を得てきました。
このアイデア会議で、筆者が心がけたことは以下の通りです。
・進行係を決めて時間内に終わらせる
・意見は最後まで発言させる
・異論や反論は禁止
・コンセプト、キーワードを出して決定する
・類似の意見はグループ化してタイトルをつける(KJ法)
・発言、決定事項、課題をまとめて議事録を残す
これは筆者の意見に過ぎませんが、会議を開くこと自体が、組織をダメにするわけではありません。組織をダメにしたい人が、会議を無意味にしていませんか。
CIAの前身、OSSが会議を重ねて作り上げた(かもしれない)「サボタージュの極意」、みなさんに思い当たるふしはあるでしょうか。(水)
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