わが国で最も安価な輸入フルーツと言えばバナナですが、今のままではバナナは消えてなくなるそうです。
バナナ絶滅の危険性が増大、不治の病が蔓延 バナナが遠足の弁当から消える日は近い?
現在世界中のバナナが、立ち枯れ病のため絶滅の危機に瀕しているのだ。
バナナがかかる致死性で不治の病
その元凶は通称「Tropical Race4」、フザリウム菌によるパナマ病と呼ばれるもので、バナナを立ち枯れさせ腐れてしまう、バナナにとっては致命的な病気だ。そして現時点ではまだその治療方法は見つかっていない。
1960年代から東?東南アジアにかけてバナナ産業に大ダメージを与えてきたこの病気は、現在ではラテンアメリカ、パキスタン、レバノン、ヨルダン、オマーン、モザンピーク、オーストラリア...全世界に蔓延するようになっている。
(もぐもぐニュース:文/鷹村優 2015年12月2日)
■ベトナムのフルーツ売り。フエにて。撮影:筆者
19世紀半ばの1850年代、ヨーロッパ全土を襲ったカイコの病気のため、フランスの絹織物産業は壊滅の瀬戸際に追い込まれました。このとき、開国したばかりの日本から、思いがけず届いたカイコの卵によって、この危機を脱しました。
19世紀後半には、害虫の発生によりヨーロッパ中のブドウの木が全滅したこともあります。
このように単一品種の大量生産には、常に全滅の危機が潜んでいます。いま私たちが食べているバナナも、単一品種のプランテーション生産ですが、なんとかこの危機を乗り越えて欲しいものです。
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実はバナナの危機は、東京西部にあるわが家の近所にもありました。
都立小金井公園に沿って走る自転車専用道路にその現場があります。
いまも、危機真っ盛りです。
■バナナの花芽は、映画「リトルショップオブホラーズ」のオードリーかエイリアンか。撮影:筆者
見てください。この立派な花芽。これが冬の東京に咲くバナナの花です。大きさはヘルメットくらいはあります。夜間の気温は5度以下になる中、花びらの中にバナナの赤ちゃんを抱え、花軸の根元には青々とした房をいくつも実らせています。
多趣味な農家さんが以前からバナナの群生を育てており、この辺りでは見慣れた風景となっているのです。
筆者はバリ島かプーケットにいる気分を味わえて楽しい限りですが、紅葉をバックに咲き誇るバナナの花はシュールです。霜が降りたらどうなるのでしょう。
■紅葉を背に見事に育ったバナナの木。撮影:筆者
いったいいつまで、バナナの花はこの寒さに耐えられるのか。そしてバナナの房は黄色く色づいて、食べられる日は来るのか。
東京西部の田舎道にも、バナナの危機は差し迫っているのでした。(水)
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