中国はこのたび、最新の偽造対策をほどこした新札を採用し、11月12日から流通が始まりました。
ところが・・・。
偽造防止のはずが...中国新100元札、ATMで偽札扱い 店でも使えず
中国で偽造を困難にする最新技術の採用をうたって12日に流通を開始した新100元札(約1900円)が、一部の現金自動預入支払機(ATM)で利用できない状態だと、中国紙が13日報じた。
(中略)
しかし、中国北東部・吉林(Jilin)省の省都・長春(Changchun)市に本社を置く東亜経貿新聞(East Asia Economic and Trade News)の報道によると、一部の銀行のATMで顧客が紙幣を預け入れようとしたところ、新100元札がはじかれたという。ある銀行幹部は同紙に対し、新紙幣を認識するよう全てのATMを「更新」するには数日かかると述べている。
また、住民からはスーパーマーケットで新紙幣を使おうとするたび偽札検出器が警報を発し、利用できないとの苦情が出ているという。スーパーの店員は「検出器がOKを出さない限り、新紙幣は受け取れない。別の日に来てくれ」と言ったと、同紙は伝えている。
(AFPBB NEWS 2015年11月13日掲出)
流通しない新札だからにせ札を作る気もおきないだろう、という逆転の発想の偽造対策なら、あっぱれと言いたいですね。
しかし、国がその価値を保障する通貨が市中で使えないというのは、国家の威信にもかかわる異常事態のはずです。メンツを何よりも重んじる中国なのにあまり問題にならないのは、誰もがにせ札に馴れているからか、おおっぴらに問題にできないからか、どちらでしょう。
たしか明治政府は、通貨を統一する際に、各藩が発行した藩札、つまり藩の借金を明治政府が引き継いだと聞いたことがあります。放映中の朝ドラ「あさが来た」でもこのようなシーンがあるそうですね。
筆者のしろうと考えですが、解決策をご提案します。
■ついでに舌も消えれば信頼性アップ。
国民全員に新100元札をひとり百枚ずつ配ったらどうでしょう。はがれやすいインクで「見本」と印刷して。
新しいデザインになじみがないから、警戒されているのです。どんどん流通させないと文字は消えてくれません。使い慣れた頃には「見本」の文字も消えているでしょう。「見本」が消えた紙幣から真札にしていけば、混乱も起きない、はずですが。(水)
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