日本人に限らず和食に親しむ人には、ちょっと違和感を覚えるニュースに出会いました。
ニューヨークの有名シェフが、国連会議に集まった世界各国の首脳にとあるランチを提供した、という記事ですが・・・。
国連の昼食会合で「ごみ」提供、食べものの無駄訴え
高級料理に慣れている世界の指導者たちは27日、国連本部での昼食で驚くべき料理を提供された──ごみだ。世界の首脳らはこの日、仏パリ(Paris)で12月に開催予定の国連気候変動会議(COP21)に向けた話し合いを行っていた。
昼食を担当した料理人たちは、現代人の食生活にみられる多大なる無駄が、世界的な気候変動に影響を与えていることの再確認につながることを願い、本来なら廃棄処分されるはずだった材料のみを使って料理を完成させた。
国連本部で提供されたのは、野菜類の絞りかすを原料とするベジタブルバーガーなど。果汁などを抽出する調理法では通常、果肉の大部分が無駄になってしまう。
バーガーに添えられたのは、でんぷん状のトウモロコシから作られた「コーンフライ」だ。米国には、計約3600万ヘクタールのトウモロコシ畑があり、収穫物の大半は、動物の飼料やバイオ燃料として使用されている。
(AFPBB News (c)AFP/ Shaun TANDON 2015年9月28日掲出)
廃棄されるはずだった食材を調理したという話でした。
日本料理なら、大根やレンコンといった根菜類の皮でキンピラを作ったり、出汁を取った後の昆布を佃煮にするなど、食材をゴミにしない技はいくらでもあります。
なぜそうするのかと問われれば、誰もが「もったいない」からと答えるでしょう。
ゴミから調理しました、と紹介するのと、もったいない心でゴミにしない調理をしました、と言うのでは、どちらが世界の首脳に伝わるでしょうか。
捨ててしまえば「ゴミ」ですが、捨てずに活用すれば資源です。ゴミを食べさせられていると思うより、食材を無駄なくいただいていると思う方が、こころは安らかではないでしょうか。
この記事を書いた記者さんは、残念ながら日本語の「もったいない」という精神も言葉もご存じなかったようです。
そういう意味では、実にもったいないニュースでした。(水)
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