中国政府が家庭用ゲーム機の製造・販売を中国全土で自由化すると、決定したニュースが伝えられました。
15年越しの夢 中国全土で家庭用ゲーム機「全面解禁」
家庭向けヴィデオゲーム機の製造・販売を約15年間禁止してきた中国が、ついにすべての規制を取り払うことになった。ただし検閲は続く見込みだ。
「若者の身体および精神の発達に害を及ぼす可能性がある」という理由でゲーム機の製造・販売を約15年間禁止してきた中国が、ついにすべての規制を取り払うことになった。
『Wall Street Journal』(WSJ)紙は、中華人民共和国文化部がヴィデオゲーム機の製造・販売を全国で全面解禁すると伝えている。
(産経ニュース 2015年7月28日)
ほとんどの人が、中国大陸で家庭用ゲームが禁止されていたことを知らなかったのではないでしょうか。
中国本土でも、パソコンゲームやスマートフォンのゲームアプリが溢れています。今となっては家庭用ゲーム機解禁のメリットは薄れた感が強いようです。
中国政府は自国内のゲーム市場が成熟したのを確かめたうえで、市場を開放したのかもしれません。
しかしながら、ハードウェアを新たに購入し、有料のソフトウェアを購入してまでゲームで遊びたいと思う子供達が、はたしてどのくらい中国にいるのでしょうか。
日本のゲームメーカーが新しいハードを発表する度に、数ヶ月後には中国大陸で類似のハードウェアが出現していたことを、筆者は改めて思い出します。
また、著作権や版権などが尊重されにくいお国柄、違法コピーの問題もあります。パッケージソフトウエアよりも、ダウンロード販売やネット接続での課金などのネットゲームでない限り、確実な収益は望めないかもしれません。
さらには政府の検閲次第では、資金を投入してゲームを開発しても、発売を承認されない可能性は常に存在します。
ゲーム機の場合、ハードウェアがいくら売れても、たいしてもうかりません。ソフトウェアの収益が見込めなければ、利益は上がらないのです。またおもしろいゲームがなければ、ハードウェアが売れ続けるはずもありません。
ゲームビジネスの根幹を検閲で押さえられた市場に、あえてチャレンジする企業はあるのでしょうか。
確かに、中国の市場は巨大な可能性を持っています。しかし、素直に手放しでは喜べない。そのような雰囲気が漂うニュースでした。(水)
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