県に寄贈された零戦が10年間もお蔵入りと聞くと、すぐに行政の怠慢かと思いがちです。しかし、滋賀県の対応は良心的だと思います。野ざらし状態で展示しても、すぐに雨風の劣化や部品の盗難などに遭い、良好な状態は保てないからです。
戦闘機10年お蔵入り...展示予算、当面はゼロ?
10年前、県民から県に寄贈された戦闘機が解体され、倉庫に保管されたままになっていることが、2日の滋賀県議会一般質問で明らかになった。
「平和を考えるシンボルに」と県平和祈念館(東近江市)での展示を求める県議に対し、三日月知事は「鑑定に多額の費用がかかる」と、当面、展示は難しいとの認識を示した。
県健康福祉政策課によると、戦闘機は全長約8・5メートル、両翼約11メートル。戦没者遺族が県外から購入し、2005年8月、当時建設が計画されていた同館で零式艦上戦闘機(零戦)として展示してもらおうと、県に寄贈した。
(ヨミウリ・オンライン 社会 2015年7月3日日掲出)
薄い金属板でできた零戦は、最初から長期保存を考えて作られてはいません。分解して倉庫に保存することをほめこそすれ、責めるわけにはいかないでしょう。
(筆者撮影。米国にて動態保存の零戦21型。記事とは別の機体)
記事の写真で見る限り、主脚収納部がない点、翼の形状やエンジンカウルの長さなど復元に疑問はあるものの、状態は良いようです。どのような来歴の零戦か、筆者はこの機体について情報を持たないので、これ以上は類推で書くことは控えます。
将来、展示される日がくることを楽しみに待ちましょう。(水)
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