今年6月は音楽配信サービスが3つも立ち上がることとなりました。いずれも月額500円~1200円程度の定額制で、音楽は聴き放題というスタイルです。
音楽業界はかつてはゲーム、近年はケータイと次々と新たなサービスに押しまくられてきました。今では「CD不況」というありがたくない言葉まで頂戴しています。YouTubeなどの無料メディアの普及でいっそう厳しくなった音楽業界に、定額制という視聴スタイルは普及するのでしょうか。
AWA(アワ)はエイベックスとサイバーエージェントが始めた音楽配信サービス。90日の試聴の後は月間1080円もしくは360円の定額制に移行します。
もうSpotify待ちする必要なし 音楽聴き放題アプリ『AWA』が想像以上に良いよ
スマホアプリベースで設計されてるだけあってレスポンスは十分良いし、サインアップを不要にしているあたりも「スマホユーザーをよくわかってる」感じがする。
AWAは今の所3ヵ月間無料でプレミアム機能を利用でき、その後は無料プランに移行する仕組みをとる。90日以降、フル機能を使いたい場合は月額1080円、機能が制限された月額360円のプランも用意されるようだ。
こう書きながら、なんだか妙に音が良いなと思いつつ設定画面を掘り返してみると、それもそのはず、標準状態でWiFi接続時には320kbpsで再生するようになっていた。
(週刊アスキー 2015年5月31日 文・Tamotsu Ito)
6月11日からスタートするのが無料対話アプリのLINEが運営するその名もずばり、LINE MUSIC。こちらは詳細はまだ未定ですが、月額500円程度を予定しているようです。
ユニバーサル ミュージックがLINE MUSICに資本参加、4社で事業を推進へ
LINE MUSICとエイベックス・デジタル(ADG)、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサル ミュージック(UMJ)、LINEの5社は2015年6月4日、UMJのLINE MUSICへの資本参加について同日に基本合意したと発表した。
(ITPRO 2015年6月4日 長谷川博)
そして6月9日に発表されたのが、Apple MUSIC。6月30日スタート、三ヶ月間無料で、月額9.99ドル。日本では1200円から1500円程度になるのでしょうか。
月額10ドル切りで6月30日から開始 Appleが新たな音楽ストリーミングサービス"Apple MUSIC"を発表!:WWDC 2015
Appleは日本時間6月9日午前2時に開幕したWWDC 2015で、新しい音楽ストリーミングサービス"Apple MUSIC"を発表しました。いつでもグローバルラジオを視聴でき、ファンとアーティストをつなぐ機能もあり。ユーザーへのレコメンド機能も搭載します。Apple MUSICのグローバルラジオにはつねに曲を流している局"Beats One"があるとのこと。6月30日から価格が最初の三か月が無料で、月額9.99ドルで提供。6人以内の家族プランもあり、月額14.99ドル。Android版は秋から提供する予定。
(週刊アスキー 2015年6月9日 文・週刊アスキー)
AWA、Apple MUSICはiPhone、ANDROID向けの専用アプリを用意しており、アプリをダウンロードすればすぐに音楽を聴き始められます。LINE MUSICの詳細は後日発表とのことですが、予告動画を見ると無料対話アプリLINEとのシームレスな利用が想定されます。
LINE MUSIC (リンクに飛ぶと動画が再生されます)
https://music.line.me/landing
結局のところ音楽配信サービスは、何百万曲ものリストがあったとしても、リスナーが聞きたい曲やミュージシャンが入っていなければ成立しないという嗜好性に左右されるメディアです。AWAもApple MUSICも邦楽をどこまで押さえられるかが勝負でしょう。LINE MUSICはまだ詳細がわかりませんが、LINEと音楽は相乗効果を生み出すのでしょうか。シンプルだったサービスに余分なものがつくと、あっという間に凋落する危険性もあります。
CD売り上げだけでも2011年には最盛期の半分以下にまで落ち込んでしまった音楽業界。この配信サービスの戦いが音楽を生み出す源であるミュージシャンたちを潤すことを、ひとりのコンテンツクリエーターとして祈ってやみません。(水)
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