動画見放題9ドルメディア、ネットフリックス、今秋にも日本上陸
お笑い芸人だらけのトーク番組、ニュース解説の偏りなどに嫌気がさして、地デジ化をきっかけにテレビをやめた筆者ですが、連休中にこんな情報をラジオ番組から拾いました。
「アメリカの若者のテレビ事情とは」
いまアメリカの若者は、ほとんど月8ドルの動画見放題ネットを契約している(おそらくネットフリックスのこと。映画とドラマが見放題)。
テレビ番組はもとより、オンエアされていない番組やネット局制作のドラマも楽しめる。一方、インターネットにうとい大人や老人達は月80ドルも払ってケーブルテレビや地上波テレビを見続けている。
若者は時間に縛られず、空いた時間にPCやスマホで動画を閲覧するスタイルに慣れてしまったようだ。
そのため、部屋の一番いい場所に大型テレビを据え置く友人は、「少し変わった人、変な趣味を持つ人」と思われている(キモイ人ともいう)。
これが今のアメリカテレビ事情だそうです。
(2015年5月8日 J-WAVEより筆者覚え書き)
ネットフリックス。あまり聞き慣れない言葉ですが、いずれ大きく報道されるでしょう。いや、日本のテレビでは決して報道したくない程の大きな衝撃でしょう。リビングにある大型液晶テレビをキモイ家具と言われたら、日本の家庭のほとんどはキモい存在になってしまいます。
日本のテレビが変わる!? ネット配信のネットフリックス上陸がもたらす余波とは
ネット配信なので、従来のテレビのように決まった時間にテレビ画面の前にいる必要はない。パソコン、スマホ、タブレットなど、視聴可能な機器さえあれば、好きな場所で、好きなときに好きな分だけ観ればいいのだ。しかも、月額8.99ドル(約1000円)の定額制とケーブルテレビよりもずっと安価。実際、アメリカではケーブルテレビの契約を止める人が続出する「コード・カッティング」という社会現象まで起こったほどだ。
そのネットフリックスが、なんと今年の秋に日本上陸することになった。日本のテレビ業界にとっては黒船来航のような一大事である。
(引用:エキサイトニュース 2015年5月7日更新)
http://www.excite.co.jp/News/entertainment_g/20150502/Taishu_15357.html
動画配信の黒船とはずいぶんと時代がかったたとえですが、ネットフリックスの日本での視聴料金は、地デジ並みのハイビジョン(HD)画質放送で900~1000円と想定されています。
いま日本国内の動画配信と言えば、日本テレビ系列の「Hulu」、NTTドコモの「dビデオ」などがあります。ネットフリックス上陸の暁には、これらの国内組は国内で制作した優良コンテンツで対抗するらしいのですが、さて日本のテレビコンテンツにお金を払ってまで見たい番組はあるのでしょうか。そもそも民放テレビ局では、以前にもこのコラムで指摘したように、番組制作者に視聴者からお金をいただいて見てもらうという意識がありません。(「[018]テレビくん、さようなら」 2015年3月24日)
虚数の視聴率に踊るふりをして、CMスポンサーを向いて制作しているだけですから、視聴者がどう思っているかなど気にしてはいないのです。スポンサーから利益供与を受けたアナウンサーが、いまもテレビに顔を出していることがなによりの証拠でしょう。
映像コンテンツを売ることを前提とした映像制作システムが日本に定着するか、大きな試練の時だと思います。テレビ局に変わる団体や企業でこのシステムが稼働して、日本の映像コンテンツ産業に良い影響を与えてくれるなら、黒船は何隻きてくれてもありがたいですね。
(水)
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