Google検索、一般には「ググる」と動詞にもなっているグーグル社の検索に「画像検索」なるものがあるのはご存じだろうか。
文字を入れる枠内に画像そのものを読み込ませことで、写真に写る人物名やモノの名前、類似の画像を表示する検索機能だ。
引っ越し先の庭に春になったせいか、見慣れない植物がニョキニョキと芽を出し始めた。食べられるモノか、雑草か、はたまた毒草かの判断を早急に迫られたので、画像検索で正体をあばくことにした。AからDまで4つの画像を検索してみた。
A.まず、第一弾はこれ。青いロケット型つぼみ。
針金のように細長い葉を出した後、急に紫色のつぼみが出てきた。
画像検索の手順
1.Googleのサイトで「画像」をクリック
2.文字入力欄の右端にカメラの絵が出てくる
3.検索したい画像をマウス左ボタンで選んだまま、検索画面に重ねる(ドラッグ&ドロップ)
4.「類似の画像」として似た写真をリストアップしてくる
5.結果が思わしくないので「青い花 細い葉」と検索用語を追加する
6.ようやく同じつぼみの写真が出てきた
7.どうやら「ムスカリ」という植物らしい
何のことはない。後から入力した検索用語だけでも正解にたどりつく。
手順はAの 1~7と同じだ。全滅だった。シダやサボテンなどしか出てこず、
土に植えてある写真をかたっぱしから選んでいる模様。
細い葉の形状を認識していない。類似の画像を持つサイトを片っ端から見ていった結果、
ディルかと思っていたが正解はチャービルのようだ。
C.タイムに似ているなにか
タイムは知っていたが、タイムに似てはいるが濃い緑色のとがった葉を持つ植物が生えてきた。
毒があっては困るのでさっそく検索。
これもトマトやしその苗が出てくるのみ。
ウーリータイムかもしれないが、まだ正体は不明。
D.Google検索の名誉挽回
このコラムで以前紹介した「小金井橋夕照」という浮世絵を画像検索してみた。
この画像の最良の推測結果: 浮世絵 橋
歌川広重の「小金井橋夕照」ということがたちどころに分かった。どうやら過去に登録済みの画像なら一発で分かるらしい。だからといって何の役にたつのか、画像検索のメリットはわかりにくい。
画像検索とは有能な秘書か、悪魔の手引きか。
最近では顔写真で画像検索すると、名前や所属を表示するかなり怖い機能も備えている。読者もスマートフォンで自撮りした写真を画像検索にかけてみてはいかがだろうか。最新の顔認証テクノロジーの恐ろしさを如実に体験することになるだろう。企業の役職付きの方や顔出しOKのブロガーならすぐに名前とプロフィールをあばかれることは想像にかたくない。
私たちは便利になっているのか、暗い未来に導かれているのか。
そういえば最新の機能を備える監視システムでは歩く人を瞬時に見分けて、その人のFacebook, twitter, Blog など個人情報につながるURLを頭の上に表示するという番組を見た記憶がある。ビッグデータの本当の目的はこうしたところにあるのかもと疑いたくなる。くれぐれも他人の写真には不用意に写り込みたくないと思った筆者であった。
(水)
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